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2011 Fiscal Year Research-status Report

ドメイン欠損型HLA-G6アイソフォームと免疫制御受容体LILR群の分子認識

Research Project

Project/Area Number 23770102
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

黒木 喜美子  北海道大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (90553313)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
KeywordsHLA-G6 / LILR / 構造解析 / 相互作用解析 / ホモ二量体
Research Abstract

本申請の目的は、胎児と母体の接点である胎盤に発現し、母体の免疫制御受容体と結合して母体免疫を抑制することで妊娠維持に重要な役割を担っているヒト白血球抗原HLA-G蛋白質アイソフォームのうち、α2ドメインを欠損するにも関わらず、通常型のHLA-G1を補う活性を保持しているHLA-G2(膜型)および-G6(分泌型)についてヒト免疫制御受容体LILR群との分子認識機構を立体構造解析の観点から明らかにすることである。今年度、安定なHLA-G6組換え蛋白質の調製をめざし、細胞外のstalk領域に当たる部分を削除するなどコンストラクトを改変した。その結果、長期間保存すると不安定だが、精製直後には解析可能な蛋白質を得ることができた。現在、結晶化とともに、X線小角散乱法および電子顕微鏡法による構造解析を進めている。電子顕微鏡法においては、HLA-G1よりも密でない緩い構造をとっていることが示唆される粒子状の像を得ることができた。HLA-G6の構造的な知見は全く得られていないため、ドメイン構造や配向が明らかになることでHLA-G1との受容体認識の特異性が説明できると考えている。また、HLA-G6受容体として同定されているLILRB2のNMR解析を行い、主鎖ピークのアサイメントへ向けて、溶液条件の改善を試みてきた。その結果、予備実験時に比べ、より良いHSQCスペクトルを得られるようになってきた。今後、さらなる条件検討を行い、LILRB2主鎖ピークの各アミノ酸帰属を行い、HLA-G1およびHLA-G6を添加した際のスペクトル変化を観察する予定である。一方、LILRB2との相互作用解析では、BIAcore3000を用いた速度論的解析を行い、HLA-G1に比べて遅い結合・遅い解離をすることが明らかになった。今後さらなる詳細な解析を継続する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は安定なHLA-G6蛋白質を調製したうえで、LILR群との相互作用解析および立体構造解析を行うことであるが、蛋白質の不安定領域を削ることでより安定で均一なHLA-G6蛋白質の調製法をほぼ確立することができた。そのために、結晶化スクリーニングを試みるとともに、溶液状態でのX線小角散乱解析および電子顕微鏡解析を進めることができている。電子顕微鏡解析では比較的均一な粒子状の像が得られているため、今後の解析を進めることによって全体構造が明らかにできると期待している。相互作用解析に関しては、受容体LILRB2との速度論的解析を行うことができたため、今後はさらに熱力学解析等を行い、相互作用機序を明らかにする予定である。上記のように、来年度に向けて継続すべき研究結果を初年度に得ることができたため、おおむね実施計画に沿って順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

初年度に引き続き、HLA-G6および受容体LILRとの相互作用解析および立体構造解析を行う。1.HLA-G6蛋白質とLILR受容体との相互作用の評価(熱力学的解析)初年度に引き続きHLA-G6について表面プラスモン共鳴法、等温滴定カロリメーター(ITC)を用いた熱力学的相互作用解析を行う。これにより、HLA-G6がどのようにLILR群を認識し、そのシグナル応答を制御しているのかを分子レベルで明らかにすることができ、HLA-G1と比較することによって、アイソフォーム間の機能的差異を示すことができる。2.HLA-G6単独および受容体との複合体の立体構造解析初年度に引き続き、HLA-G6単独のX線小角散乱および電子顕微鏡解析を進める。また、HLA-G6単独および受容体との複合体の結晶構造解析およびNMRを用いた相互作用部位の同定をめざした研究も継続する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成23年度に実施したHLA-G6蛋白質およびLILR蛋白質の発現・精製に用いた消耗品の支払いに使用する。平成24年度研究費については、平成23年度と同様、本課題ではLILRおよびHLA-G6蛋白質の大量調製が必要であり、主に大腸菌による発現系を用いるため、大腸菌培養および蛋白質調製のための試薬類、プラスチック製品類を購入する予定である。また、相互作用解析として、表面プラスモン共鳴解析装置BIAcore3000を使用するため、効果なセンサーチップ・試薬類を、結晶化に必要なスクリーニングキットやNMR測定のための安定同位体を購入予定である。さらに、旅費として国内学会での成果発表を行う予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] Molecular basis for LLT1 protein recognition by human CD161 protein (NKRP1A/KLRB1).2011

    • Author(s)
      Kamishikiryo J, Fukuhara H, Okabe Y, Kuroki K, Maenaka K.
    • Journal Title

      J Biol Chem.

      Volume: 286 Pages: 23823-23830

    • DOI

      10.1074/jbc.M110.214254

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Molecular basis for herpesvirus entry mediator recognition by the human immune inhibitory receptor CD160 and its relationship to the cosignaling molecules BTLA and LIGHT.2011

    • Author(s)
      Kojima R, Kajikawa M, Shiroishi M, Kuroki K, Maenaka K.
    • Journal Title

      J Mol Biol.

      Volume: 413 Pages: 762-772

    • DOI

      10.1016/j.jmb.2011.09.018

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2013-07-10  

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