2011 Fiscal Year Research-status Report
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23770124
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
三島 正規 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (70346310)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | NMR / TTL / 微小管 / 構造解析 / チューブリン / チューブリンチロシンリガーゼ |
Research Abstract |
微小管の化学修飾が種々の重要な生命現象に関与していることが近年明らかになってきている。本研究ではtubulin tyrosine ligase(TTL)の立体構造解析を行い、チューブリンのチロシン化のメカニズムをその立体構造に基づいて理解し、化学修飾による微小管動態制御の構造的基礎を得る。また応用として、TTLを用いた高効率なプロテインライゲーション反応の技術を確立することを目的としている。現在までに全長ヒトTTL1の大腸菌による発現系を構築し、精製系を確立した。大量に封入体を形成したことから、シャペロンの共発現系を用いた。これにより最終的な収量を約5倍にすることに成功した。13C,15N,2Hラベルした蛋白質を調製し、多次元NMR測定に取り組んだ。当初、NMR測定温度でTTL1が凝集を起こし、NMRスペクトルも極めて分離の悪いものであったが、buffer条件の検討を行い、現在までに測定温度で凝集が起こらず、NMR信号の分離のよい条件を見つけることができた。並行して、緑色蛍光タンパク質GFPとTTL1を融合させることで、コロニーレベルでTTL1の安定を検討するシステムの開発にとりくんだ。2011年の秋にはアメリカのグループよりゼノパスのTTLの結晶構造構造が報告された。ゼノパスとヒトでの配列を比較することで、ヒトTTL1の変異体を作成したところ、安定性が劇的に構造した。この変異体についても13C,15N,2Hラベルした蛋白質を調製し、多次元NMR測定に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
安定性の向上したヒトTTL1変異体が得られたので、今後の解析が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
安定性の向上したヒトTTL1変異体を用いて主鎖の信号帰属を行う。これには、高分子量測定用のTROSY法を用いて行う。この際、さらに非線形サンプリング法の導入により、スペクトル中のほとんどの信号でそのS/N比を従来の2倍程度向上させる。側鎖の帰属は、選択的なメチル標識試料を調製して行う。メチル選択的な試料を用いてNOEを測定し、構造情報を収集する。メチル基は高分子量でも高感度な測定が可能なことが利点である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度も高額の備品の購入は予定していない。生化学試薬、安定同位体を中心とした試薬の購入に主に予算をあてる。
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Research Products
(2 results)