2012 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物キネトコア複合体CENP-T/WおよびCENP-S/Xの構造生物学
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23770128
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
西野 達哉 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究部門, 助教 (50533155)
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Keywords | 生物物理 / 分子認識 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本研究申請の目的は脊椎動物キネトコア構成因子CENP-TWとCENP-SXの構造と機能の関係を明らかにし、これら蛋白質複合体が正常な染色体分配にいかに寄与するかを解明する事にある。 本年度はCENP-TWSXのDNA結合モードについて詳細に解析した。 まず長さの異なる二重鎖DNAを多数調製し、DNA結合能を調べたところCENP-SXは50-60bpにおいて明確なシフトバンドが形成された。一方、CENP-TWSXはこの長さでは明確なバンドを形成せず80-100bpにて明確なシフトバンドを形成した。DNA結合能をさらに調べる目的で、ヌクレオゾームが二つならんだようなダイヌクレオゾームを調製しDNA結合能を調べた。その結果、ヌクレオゾーム間のリンカーDNAの長さが25bpでは明確なシフトバンドが形成されなかったが、100bpでは明確なシフトバンドを形成した。ヌクレオゾームテンプレートは通常のH3ヌクレオゾームおよびセントロメア特異的CENP-Aヌクレオゾームどちらも同様に結合した。 100bp上におけるCENP-TWSXシフトバンドの構成因子を解析したところ、CENP-TWSXが2分子ずつ存在し、オクタマーとして結合していた。CENP-TWSXはヒストン様蛋白質で、ヒストン同様DNAに超らせんを誘発する事が以前の解析よりわかっている。今回さらに超らせんの方向を調べたところ、CNEP-TWや-SXは負の超らせんを誘発するのに対してCENP-TWSXは正の超らせんを誘発していた。この結果はセントロメアにおけるCENP-TWSXのユニークな性質を示していると考えられ、今後の解析が待たれるところである。以上の結果より脊椎動物においてCENP-TWSX複合体がユニークなクロマチンを形成し、キネトコア構造形成に重要な役割を果たす事が明らかになった。
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Research Products
(15 results)