2012 Fiscal Year Annual Research Report
構造安定化と抗体との複合体化によるロイコトリエンB4受容体の結晶化
Project/Area Number |
23770133
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
堀 哲哉 独立行政法人理化学研究所, 宮野構造生物物理研究室, 専任研究員 (20344054)
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Keywords | ロイコトリエンB4受容体 / 結晶化 / 安定化 / モノクロ抗体作成 |
Research Abstract |
ロイコトリエンB4受容体(BLT1)の結晶構造解析を目標に、BLT1の安定化変異体を構築し、立体構造認識型抗BLT1モノクローナル抗体を作製し、結晶化を行った。 変異体の安定性解析は動物細胞での一過性発現系を用いることにした。そのため、多数の変異体の解析を迅速に行えるようになった。安定性が向上した変異体の大量発現はメタノール資化酵母で行った。 合理的設計により計画した2残基変異導入により、熱安定性が5oC向上し、発現量が6倍向上した(Bmax=311pmol/mg)。また、GPCRの結晶化では一般的な方法になったT4リゾチームとの融合体を作成した。N末端、または膜貫通ヘリックス56の間にT4リゾチームを挿入した。その際、挿入部位とリンカーの長さをパラメーターとし、もっとも安定性が高かったそれぞれ1種の融合体を選択した。いずれもT4リゾチームとの融合体化したことによるリガンド親和性影響はなかった。 立体構造認識型抗BLT1モノクローナル抗体を2種作成した。いずれも、ELISA、ドットブロット、免疫沈降法では、SDS変性BLT1は認識しないが、ELISAと免疫沈降法で非変性BLT1を認識する。うち1種の抗体は、BLT1と複合体化後に1M硫酸アンモニウム中で20oCで4日間インキュベートさせた後も、解離していないことをゲル濾過分析で確認した。 安定化BLT1変異体単独、安定化BLT1と抗体Fabドメインとの複合体、T4リゾチーム融合体単独、N末T4リゾチーム融合体と抗体Fabドメインとの複合体について、蒸気拡散法とメソフェーズ法にて結晶化を行った。Fab複合体は、メソフェーズ法ではFab複合体単独での結晶化が析出してしまった。T4L融合体について、針状の結晶様物質が析出したが、再現性が取れていない。
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