2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23770151
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
木田 祐一郎 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 助教 (10423899)
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Keywords | タンパク質膜透過 / トランスロコン / 小胞体 / シグナル配列 / 細胞小器官 / 膜タンパク質 / 膜トポロジー / 生体膜 |
Research Abstract |
1.小胞体タンパク質膜透過チャネル(トランスロコン)による膜貫通配列の識別について、疎水性度の異なる様々なモデル配列の膜透過・組み込み挙動を無細胞実験系にて解析した。部位特異的クロスリンク解析等の結果、膜組み込みには少し不十分な疎水性の配列も一過的にはトランスロコン本体であるSec61チャネルと相互作用することが明らかとなった。この相互作用のチャネル側の部位を特定するため、アフィニティタグ付きヒトSec61チャネルの安定発現細胞を樹立し、現在この細胞由来のミクロソームを用いた解析を進めている。 また、上述の弱疎水性配列-トランスロコン間相互作用がリボソームトンネル内にある下流の膜貫通配列により阻害されること、更にリボソーム内配列の疎水性度を低下させることで相互作用が回復することから、リボソームが疎水性配列を認識するとともにトランスロコンでの配列識別を制御する可能性が示された。 2.マルチスパン型膜タンパク質、ヒト赤血球バンド3タンパク質の小胞体膜組み込み解析において、ストレプトアビジンと結合するタグ配列を内腔側ループに導入したところ、複数の内腔側ループの膜透過が細胞質側に添加したストレプトアビジンによって阻害された。このことから、これらのループが細胞質側で一過的に停留した後膜透過するという新たな膜透過・組み込みモードの存在が実証された。(投稿中) 3.タンパク質の小胞体膜透過・組み込みへのリン脂質の影響を調べるため、フォスファチジルセリン(PS)と特異的に結合するラクトアドヘリンC2ドメインを発現、精製し、無細胞解析系に添加したところ、シグナル配列のトランスロコンへの標的化、膜組み込み、及び内腔側ドメインの膜透過と、様々なステップにおいて阻害効果を示した。PSのトランスロコン機能への重要性が示された。(Yamamoto et al, BBRC 2013)
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