2012 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体GSHトランスポーターによる小胞体レドックス制御
Project/Area Number |
23770158
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寳関 淳 京都大学, 生理化学ユニット, 准教授 (40423058)
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Keywords | レドックス / 小胞体 / グルタチオン |
Research Abstract |
小胞体は細胞内で合成されるタンパク質の約30%を占める分泌及び膜タンパク質のフォールディングの場であり、その品質管理の破綻は神経変性疾患を始めとする様々な疾患の原因となることが知られている。小胞体はフォールディングされるタンパク質の機能発現に必要なジスルフィド結合形成に適した酸化的環境にある一方、ミスフォールドタンパク質の分解においてはサイトゾルへの逆行輸送に先だって必要なジスルフィド結合の開裂においては還元力を必要とする。そのため、小胞体レドックス制御はタンパク質の品質管理において極めて重要である。グルタチオン(GSH)は小胞体レドックスを規定する主要な分子であり、小胞体における還元力のソースであることが最近、明らかになってきた。GSHはサイトゾルで合成されて小胞体へと運ばれるが、小胞体内への取り込みの機序は不明であった。そこで、本研究においてはGSHの小胞体内腔への取り込みに関わるGSHトランスポーターの同定を試みた。その結果、1)小胞体にroGFPを発現する安定発現株から調製したマイクロソームを用い、内腔へのGSHの取り込みを鋭敏に検出する系を構築した。2)ケミカルライブラリーからこれを阻害するインヒビターの探索を行い、マイクロソーム内へのGSH輸送を阻害するGSHトランスポーターの阻害剤を同定した。3)マイクロソーム画分から膜脂質と膜タンパク質を可溶化した後、GSH輸送活性を持つプロテオリポソームを再構成した。以上の成果は、今後、小胞体 GSHトランスポーターを同定するうえで重要だと思われる。
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Research Products
(4 results)