2013 Fiscal Year Research-status Report
ナトリウムイオン輸送型ATP合成酵素のイオン輸送機構の解析
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23770160
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
三留 規誉 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (90431981)
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Keywords | ATP合成酵素 / 分子モーター / イオン輸送 / イオンポンプ / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
野生型およびaL183CcF67C、aL183CcI68C、aL184CcF67C、aL184CcI68Cの変異ATP合成酵素を発現した大腸菌から反転膜を調製し、酸化状態と還元状態で反転膜小胞内への水素イオンの流入を調べて結果、aL184CcF67C、aL184CcI68Cは還元状態で水素イオン輸送活性を示すが、酸化状態で水素イオン輸送活性を示さなかった。aL183CcF67C、aL183CcI68Cは還元状態、酸化状態いずれも水素イオン輸送活性を示さなかった。これらの変異ATP合成酵素のうち、aL184CcF67Cの変異ATP合成酵素について、精製を行った。野生型ATP合成酵素の膜画分とaL184CcF67Cの変異ATP合成酵素の膜画分を用意し、ドデシルマルトシドを最終濃度1%になるように添加して、酵素を可溶化した。超遠心分離により、不溶性画分を除いたのちに、酵素のβサブユニットに導入されているHis-tagを介してNi-NTA樹脂に吸着させた。洗いの操作後、イミダゾールの入った溶液で酵素を溶出し、酵素の画分を限外濾過膜で濃縮した。こうして得られた精製酵素のaサブユニットとcサブユニットのジスルフィド形成をSDS-PAGEとanti-aとanti-cを用いたウェスタンブロットで分析した結果、aL184CcF67C の変異ATP合成酵素では50%程度がaとcの間でジスルフィド結合を形成していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、平成25年度はFoaとFocに導入したCysが高い効率でジスルフィド結合を形成するものを得て、精製してその酵素を分析した。また、精製法、分析法を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ナトリウム輸送型ATP合成酵素のイオン輸送に関わる部位にシステイン残基を導入し、ATP加水分解活性、ナトリウムイオン輸送駆動のATP合成活性への影響について分析する。イオン輸送機構について、プロトン輸送型とナトリウム輸送型で違いがみられるか比較する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
この年度で購入を予定していた物品が、残額の予算では不足しており、次年度に購入することにした。 酵素活性を測定するための消耗品の購入に充てる予定である。
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