2012 Fiscal Year Research-status Report
デジタル画像相関法を用いた細胞骨格空間ダイナミクス解析法の確立
Project/Area Number |
23770167
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
水谷 武臣 北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 助教 (40451405)
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Keywords | 生物物理学 |
Research Abstract |
本研究では、細胞骨格上に発生する「歪」と「流れ」の空間変化を測定する手法の開発を目指す。蛍光タンパク質タグを付した細胞骨格タンパク質を細胞内に発現させて、ライブセルイメージングを行う。得られた画像を数値解析することで、「歪」と「流れ」の物理量を抽出する。 昨年度に作成した細胞骨格上に発生した「歪」と「流れ」を評価するための数値解析プログラムは2次元上に生じた変形を対象にしていたが、今年度はそれを拡張して3次元上に生じた変形をとらえることが可能となった。また、細胞膜を蛍光観察することが可能なプローブを作成し、3次元環境下での細胞の3次元形状を計測することが可能となった。細胞の3次元形状データを数値モデルにのせることで、細胞の弾性力学解析法の構築に成功した。 更に、3次元環境下での細胞骨格のライブイメージングを行った。アクチン(アクチン繊維)、ビメンチン(中間径フィラメント)、チューブリン(微小管)、それぞれに蛍光タンパク質を融合させることで、生きた細胞内で細胞骨格タンパク質の動態を観察することが可能な実験系を構築した。数値解析プログラムと融合蛍光タンパク質を用いて、薬剤投与によって特定の細胞骨格を破壊した際における、他の細胞骨格の動態変化を測定した。2次元環境で観察したものと比較すると、3次元下では各骨格タンパク質の空間分布が大きく変化していた。次年度は、2次元と3次元での細胞の実験データに基づいた数値計算から、培養環境に依存した細胞の力学モデルを提案する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載したとおりの研究成果を得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書に記載した通り、研究を進めていく。本年度は、1千円ほどの余りが生じているが、次年度の試薬購入費の一部に充てることで、さらに研究を加速させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品費(試薬等)や旅費としての使用を計画している。本年度からの繰り越し額は消耗品費に加える。
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