2011 Fiscal Year Research-status Report
転写因子－ＤＮＡ間相互作用と転写活性化の同時測定法の確立
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23770169
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
三國 新太郎 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (40435954)
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| Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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| Keywords | 転写因子 / 相互作用 / 一分子計測 / FCS / FCCS / 転写活性 / 核内受容体 / DNA |
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| Research Abstract |
本研究の目的は「転写因子であるグルココルチコイド受容体（GR）とDNA間の相互作用」と「GR-DNA相互作用により転写活性化され、生じたmRNA量」を蛍光相互相関分光法（FCCS）と蛍光相関分光法（FCS）を用いて同一溶液内で、かつ同時に測定・定量解析可能な新規測定系の確立である。本研究における実験計画の概要は、1. 緑色蛍光タンパク質との融合体としてのGR（EGFP-GR）の単離・精製、2. Alexa647 ラベル化DNAの増幅・精製、3. 赤色蛍光タンパク質（mCherry）融合体としてのRNA配列特異的結合タンパク質（MS2 coat protein、以下MS2CP）の単離・精製、4. in vitro 転写反応条件および3色蛍光のFCCS・FCS測定条件最適化であり、23年度は主に1の確立を行った。EGFP-GRは昆虫細胞による発現を行い、Hisタグを利用した精製を試みたが、精製後に蛍光性のGR分解産物が混入しており、目的タンパク質であるEGFP-GR（全長）との分離ができなかった。そこで、種々の精製法を組み合わせることとした。結果、Hisタグを利用した精製法の後、陰イオン交換法を行うことによって、目的のEGFP-GR（全長）と分解産物の単離が可能であることを見出し、また、HPLC装置を利用することで効率的な昆虫細胞を用いたEGFP-GRの発現・精製法の確立に成功した。また、精製したEGFP-GR（全長）とAlexa647 ラベル化されたGR認識配列（37 bp）との相互作用がFCCS測定より確かめられた。一方で、エストロゲン受容体認識配列との相互作用は観察できなかったことからも、精製されたEGFP-GRが転写因子としての本来の性質を維持していることが確認された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では23年度中に本研究の目的であるGR-DNA相互作用・転写活性化同時測定法に必要なマテリアル（精製EGFP-GR、Alexa647-DNA、精製mCherry-MS2CP）をすべてそろえる予定であったが、EGFP-GRの精製、および、部分的なAlexa647-DNAの合成にとどまっている。計画遅延の要因はEGFP-GRの精製過程における、GRの分解産物の除去法の探索に時間がかかってしまったことである。しかし、本研究の目的達成に必要なマテリアルのうち、最も準備が困難と予想されたEGFP-GRの精製法を確立できため、今後の研究遂行が加速化することが期待される。
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| Strategy for Future Research Activity |
24年度は引き続き、GR-DNA相互作用・転写活性化同時測定法の確立を目指す。具体的にはGR認識配列のみならず、基本転写因子結合部位およびmRNAの鋳型になる配列を含むAlexaラベル化DNA配列の合成と、mRNA認識タンパク質としてのmCherry-MS2CPの精製を行い、3色蛍光のFCCS・FCS測定を目指す。また、23年度に精製EGFP-GR（全長）とAlexa647 ラベル化されたGR認識配列（37 bp）との相互作用がFCCS測定より確かめられたので、GR認識配列に変異をいれた場合のEGFP-GRとの相互作用を解析し、GRの配列認識の定量化を行う予定である。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度は当初予定していた結果が得られなかったため、成果発表としての学会に参加できなかった。それ故、当初旅費として計上していた予算に剰余が生じてしまった。その剰余分に関しては24年度にmRNA認識タンパク質のFCS測定を通したmRNAの定量法を確立する上で、定量的RT-PCRを用いた確認実験を予定しており、定量的RT-PCRに必要な試薬を購入するために使用する予定である。
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