2012 Fiscal Year Annual Research Report
スプライシングアイソフォーム間の機能部位の差異推定法の開発
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23770187
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
塩生 真史 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 講師 (30345847)
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Keywords | 選択的スプライシング / バイオインフォマティクス / 機能予測 / 立体構造予測 / データベース / 次世代シーケンサー / プロテオミクス |
Research Abstract |
1. スプライシングアイソフォームの機能的重要性の評価:平成23年度に開発したスプライシングアイソフォーム(以下、SI)の機能的重要性を見積もる指標(RNA-seqを用いたmRNAの発現情報、および、選択的スプライシングにより影響を受ける部位の位置の6種類のモデル生物種間における保存情報)に加えて、平成24年度はプロテオミクス解析のデータベース(PeptideAtlas)を用いたタンパク質発現情報も機能的重要性の評価指標とした。これらの指標を用いて、タンパク質の立体構造形成に重要な疎水性コアを失っていて、機能的重要性が低いと考えられるSIの評価を行った。その結果、ヒトにおいて、約1/4の疎水性コア欠失型SIが実際には機能的重要性が高いと考えられることを初めて明らかにした。この中で、複数の評価指標を満たすことにより機能的重要性がより高いと推定されるものについてその特徴を調べたところ、マルチドメインタンパク質のいずれかのドメインを失う、もしくは、立体構造を不安定化する場合が多く、ドメイン構成の変化によってSI間での機能的差異が生じることが示唆された。 2. 解析結果および解析ツールの公開:1.の評価指標のもとになった選択的スプライシングの解析結果について、AS-ALPSデータベースにより公開した。さらに、日本語化したAS-ALPSデータベースも公開することにより、国内の高校などにおいて選択的スプライシングの解析実習を行い易くした。また、RNA-seqなどの解析により新規のスプライシングバリアントが見つかった場合に、それらがどのような機能的差異を持つかを推定する情報を提供するツールであるAS-EASTを公開し、平成24年度は、AS-EASTにおいてスプライシングバリアントにコードされるSIの立体構造が推定できるようにした。
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