2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23770200
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福田 綾 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50436276)
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Keywords | 転写 / コアクチベーター / RNA結合タンパク質 / メディエーター / リイニシエーション / 前初期遺伝子 |
Research Abstract |
当研究で新規コアクベーターとして同定したhnRNP R (heterogeneous nuclear ribonucleoprotein R) は、in vitro転写系において4種類のアクチベーター(SRF, Elk-1, CREB, ATF1)と共にc-fos遺伝子プロモーターからの転写を活性化する。また、既知のコアクチベーターであるPC4やメディエーター存在下ではさらに転写を促進する。特に、hnRNP Rはメディエーターと協調して1度目の転写のみならず2度目の転写も顕著に促進する。メディエーターは約30個のサブユニットからなる巨大な複合体で、CDK8を含むサブモジュール(CDK8, Cyclin C, MED12, MED13)がメディエーター活性の調節に関与するといわれている。hnRNP R とメディエーターとの協調的な転写促進に対するCDK8サブモジュールの影響を調べたところ、CDK8サブモジュールがメディエーターとhnRNP Rによる転写促進に抑制的に作用することがわかった。また、GSTプルダウンアッセイの結果、hnRNP Rがメディエーターをはじめアクチベーターや基本転写因子のいくつかと結合し、さらに転写産物RNAとも直接結合することが明らかになった。さらに、RNAiによりin vivoでのhnRNP Rの役割について検討した結果、hnRNP Rをノックダウンした細胞では血清刺激による c-fos 遺伝子の誘導が顕著に低下することが明らかとなった。c-fos 以外の複数の前初期遺伝子(egr-1, pip92など)についても明らかな発現誘導の低下が見られた。これらの結果より、hnRNP Rは前初期遺伝子の一過性かつ高レベルな発現誘導に重要な役割を担っており、その際にメディエーターと協調して転写リイニシエーションを促進していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)