2012 Fiscal Year Annual Research Report
ダメージを受けたDNA複製フォークの修復機構の解明
Project/Area Number |
23770208
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
花田 克浩 大分大学, 医学部, 助教 (90581009)
|
Keywords | DNA損傷・修復 |
Research Abstract |
正確なDNA複製はすべて分裂細胞にとって必須である。しかしながら、我々の細胞は、常時、遺伝毒素に曝露されており、その有害物質によるDNAダメージが、DNA複製阻害の原因となっている。DNA複製が正確に完結しないと、遺伝子の情報の一部が失われ、細胞分裂後の娘細胞は正常な機能を発揮できなくなる。ゆえに全ての細胞に中断したDNA複製フォークを再開させる修復機構が備わっている。本研究では、DNA複製の再スタートに関わるDNA代謝系の同定を行い、そのメカニズムを明らかにすることを目的とし、研究を行った。我々は、これまでの研究からMUS81構造特異的エンドヌクレアーゼがこの修復に関与していることを明らかにしたので、まず、MUS81を制御する機構の解明を目的として研究を行った。MUS81はDNAダメージによって中断したDNA複製を切断する活性があるので、まず、DNA複製フォークが停止した際に活性化されるDNAダメージ応答に関与する因子(例えばATRなど)に関して解析を行った。その結果、ATR依存のダメージ応答、MUS81によるDNAの2重差切断、ATM依存のダメージ応答(DNAの2重鎖切断に対する応答)の順番でダメージ応答が起きることが明らかになった。しかし、これらの因子がMUS81を直接活性化するという知見は得られなかったため、他の因子を検索したところ、相同組換えに関与する因子がMUS81の活性制御に関与している可能性を見出した。この点に関しては、現在も詳細な解析を行っている。さらに、MUS81とは独立に機能する因子のスクリーニングを行った。siRNAを用いたスクリーニングを行い、いくつかの因子を同定した。現在は、この表現型の確認作業を行っている。
|
Research Products
(1 results)