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2011 Fiscal Year Research-status Report

タンパク質の輸送と品質管理を制御する分子ネットワークの解明

Research Project

Project/Area Number 23770217
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

水野 智亮  筑波大学, 医学医療系, 助教 (80529032)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords小胞体ストレス / 小胞体輸送 / 出芽酵母 / シグナル伝達
Research Abstract

膜タンパク質・分泌タンパク質が正常に機能する上で、小胞体の適切な機能は不可欠であり、小胞体に入るタンパク質の種類と量を決める段階(小胞体輸送機構)と小胞体から出るタンパク質の品質を確認する段階(品質管理機構)の制御は重要である。申請者は、出芽酵母を用いた分子遺伝学的解析から、Kin1、Kin2、Ire1、Hac1がタンパク質の小胞体輸送と品質管理を制御する可能性を見出してきた。しかしながら、これらの因子が実際どのような分子メカニズムで機能しているかは不明であった。そこで本研究では、これらの因子によるタンパク質の小胞体輸送と品質管理の制御機構を明らかにすることを目的とし、本年度はKin1・Kin2の機能解析を中心におこなった。まず、Kin1・Kin2がIre1-Hac1経路を介し機能しているかを検討するため、レポーター遺伝子を用いてHac1活性を測定した。その結果、Kin1・Kin2二重変異株におけるレポーター遺伝子の発現は野生株と同程度であったことから、Kin1・Kin2はIre1-Hac1経路を介していないと考えられた。次に、Kin1・Kin2はいずれもキナーゼであることから、そのキナーゼ活性の重要性を検討した。その結果、Kin1・Kin2二重変異株の小胞体ストレス昂感受性表現型は、野生型Kin1・Kin2の過剰発現によって救済されたのに対し、キナーゼ不活性化型Kin1・Kin2の過剰発現によって救済されなかったことから、Kin1・Kin2はキナーゼ活性依存的に機能すると考えられた。次に、Kin1・Kin2の作用機序を明らかにするため、Kin1・Kin2二重変異株の小胞体ストレス昂感受性表現型に対するマルチコピーサプレッサーの探索をおこなった。その結果、Kin1・Kin2二重変異株のマルチコピーサプレッサーとして10遺伝子を同定した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Kin1・Kin2二重変異株のマルチコピーサプレッサーとして10遺伝子を同定しており、Kin1・Kin2の作用機序を明らかにできる見込みが出てきたため。

Strategy for Future Research Activity

Kin1・Kin2の周辺で機能する因子をさらに探索するため、kin1kin2二重欠損との合成致死変異体の分離とその原因遺伝子の同定、および、免疫沈降法を用いたKin1・Kin2結合因子の同定をおこなう。Kin1・Kin2の下流で機能する因子の機能解析をおこなうため、スクリーニングで分離・同定した因子群からのKin1・Kin2によってリン酸化される因子を抽出し、リン酸化部位の同定とリン酸化部位変異の生理的効果の検討をおこなう。Kin1・Kin2とIre1・Hac1の関連性を明らかにするため、遺伝学的解析による各因子の上下関係の検討とDNA microarray法による遺伝子発現変化の比較をおこなう。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

申請時の研究計画では、平成23年度にDNA microarray法による遺伝子発現解析をおこなう予定であり、それに用いるDNAマイクロチップの購入費約75万円を消耗品費に含めて計上していた。しかしながら、平成23年度は遺伝学的解析に専念し、DNAマイクロチップを購入しなかったため、消耗品費の一部を平成24年度に繰り越した。平成24年度の研究費は、主に消耗品と抗体作製に使用する。消耗品には、申請時に計画していた品目(培地、耐熱性ポリメラーゼ、制限酵素、修飾酵素、市販抗体、染色用試薬、および、遺伝子工学用のチップ、チューブなどのプラスチック器具)に加えてDNAマイクロチップを含める。抗体作製費は、Kin1・Kin2によってリン酸化される因子の機能解析をおこなう上で、リン酸化型タンパク質に対する特異的な抗体が極めて有効なツールであることから計上した。

  • Research Products

    (5 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] The C. elegans growth factor-receptor tyrosine kinase signalling regulates axon regeneration.2012

    • Author(s)
      Li C, Hisamoto N, Nix P, Kanao S, Mizuno T, Bastiani M, Matsumoto K.
    • Journal Title

      Nature Neuroscience

      Volume: 15 Pages: 551-557

    • DOI

      10.1038/nn.3052.

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] RNA-binding protein Khd1 and Ccr4 deadenylase play an overlapping role in the cell wall integrity pathway in yeast.2011

    • Author(s)
      Ito W, Li X, Irie K, Mizuno T, Irie K.
    • Journal Title

      Eukaryotic Cell

      Volume: 10 Pages: 1340-1347

    • DOI

      10.1128/EC.05181-11

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 線虫JNK経路を介した遺伝子発現制御におけるHDACの機能解析2011

    • Author(s)
      赤松まゆ子,服部鮎奈,水野智亮,久本 直毅,松本邦弘
    • Organizer
      日本分子生物学会第34回年会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      2011 – 1216
  • [Presentation] 重金属ストレス応答において線虫JNKは転写因子Fosを負に制御する2011

    • Author(s)
      服部鮎奈,水野智亮,久本 直毅,松本邦弘
    • Organizer
      日本分子生物学会第34回年会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      2011 – 1215
  • [Presentation] 線虫新規増殖因子SVH-1とその受容体チロシンキナーゼSVH-2はJNK型MAPK経路を介して神経軸索再生を制御する2011

    • Author(s)
      李春,久本直毅,Nix Paola,金尾朱夏,水野智亮,Bastiani Michael,松本邦弘
    • Organizer
      日本分子生物学会第34回年会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      2011 – 1213

URL: 

Published: 2013-07-10  

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