2011 Fiscal Year Research-status Report
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23770218
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鶴田 文憲 筑波大学, 生命環境系, 助教 (30571450)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞周期 / DNA損傷 / ユビキチン / プロテアソーム |
Research Abstract |
紫外線照射による環境ストレスは、突然変異やゲノムの不安定性を誘発し、細胞の癌化を誘導する。一方、細胞はDNA損傷による癌化を抑制するため、細胞周期を停止させ、その間に損傷を受けたDNAを修復する機構を有することが知られている。通常、紫外線照射などでDNA損傷が起こると、ATMやATRといったセリン/スレオニンキナーゼが活性化してp53を安定化させ、CDK inhibitor p21を発現誘導する。それゆえp21は紫外線照射による増殖抑制の主要なメディエーターとして考えられている。その一方で、異なった条件下では、p21は紫外線照射によって分解誘導される系も報告されており、DNA損傷後のp21の発現量制御の詳細な分子メカニズムは未だ明らかとなっていない。本研究では、新規F-boxタンパク質Fbxl12が、p21をユビキチン非依存的に分解制御すること、また紫外線照射によってp21が蓄積する新しいメカニズムの可能性を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題1 SCFFbxl12によるp21分解機構の解析当初考えていた仮説とは多少異なるデータが得られたが、新しい可能性を検証し、p21の分解制御に関してこれまで知られていなかった新規メカニズムを見出すことに成功した。課題2 Fbxl12ΔFによるSCFFbxl12制御機構の解析Fbxl12ΔFによるSCFFbxl12の活性制御の解析に関しては、比較的順調に進展しているが、Fbxl12ΔFの発現制御の解析は当初考えていたより若干進展が遅い感がする。ただ、これは課題1の軌道修正に多少時間を費やしたためであり、総じて比較的順調に進んでいるのではないかと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
課題1に関しては、比較的しっかりしたデータが揃いつつあるので、本年度中に論文として発表していく(現在執筆中)。課題2は、Fbxl12ΔF発現制御の分子メカニズムを中心に解析し、本年度中には論文を投稿していきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主として分子生物学実験、細胞生物学実験の消耗品、試薬等に利用予定である。また論文校正ならびに出版費にも利用していく。また繰越金26万円相当は、抗体や試薬等、一般消耗試薬などに利用していく。
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Research Products
(5 results)