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2011 Fiscal Year Research-status Report

アクチン細胞骨格マスター制御因子MRTFの新規活性制御メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 23770225
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

森田 強  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80403195)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords細胞骨格 / 癌 / 転写因子
Research Abstract

myocardin-related transcription factor (MRTF)は様々なアクチン細胞骨格関連遺伝子の発現を統合的に制御するマスター因子であり、繊維症やガン細胞の転移・浸潤などにおいて重要な役割を果たしていることが知られている。本研究課題ではMRTFの活性制御機構をより詳細に解明することを目的としている。MRTFは主に細胞質に存在しているが、外部からの様々な刺激により核内へと移行し転写調節因子としての機能を果たす。平成23年度の研究により、私はMRTFの細胞内局在を制御する新規の因子としてTb4タンパク質を見いだした。MRTFは単量体アクチン(G-actin)と直接結合することで核内移行が抑制されているが、Tb4はG-actinと結合することによりMRTF/G-actin複合体の形成を抑制した。すなわち、Tb4はMRTFの核内移行を促進する活性化因子であると考えられるが、実際Tb4の過剰発現によりMRTFは核内へと移行し転写調節因子としての機能も強く活性化された。これまで、多くのガン細胞、特に転移能の高いガン細胞においてTb4の発現が亢進していることが報告されている。このことから、Tb4の高発現がMRTFの活性化を介してガン細胞の転移を促進している可能性が非常に高いと予想される。 上記のようにMRTFはアクチンと結合することでその機能が制御されているが、アクチンとアミノ酸配列が類似しているactin-related proteins (Arps)のうち幾つかのものがアクチンと同様にMRTFと結合することを見いだした。現在ArpsがMRTFの局在や活性の制御にどのように関わっているのか解析中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題における平成23年度の実験計画は、主に 1)MRTFの局在を制御するG-actin結合因子の同定、2)G-actinの核内移行・核外排出によるMRTFの活性制御機構の解明、3)MRTFの活性制御におけるArps関与の有無、の三点であった。研究実績の欄に記したが、上記のうち1と3に関しては計画どおり研究は進展している。2に関しては研究の結果G-actinの局在変化がMRTFの活性に与える影響は非常に小さいと判断されたため、研究を中断している。以上のことより本研究課題はおおむね順調に進展していると評価した。

Strategy for Future Research Activity

平成23年度の研究成果よりMRTFの活性制御因子としてTb4タンパク質を同定した。今後はTb4がどのようにMRTFの活性制御に関与するのか詳細に解析を行う予定である。特にTb4が高転移性のガン細胞において高発現していることから、Tb4によるMRTFの活性化がガン細胞の形質に与える影響を解析する。具体的にはガン細胞においてTb4の発現を抑制することにより実際にMRTFの不活性化やガン形質の変化が引き起こされるのかを詳細に観察する。 また、これまでの研究成果からMRTFの活性がArpsによっても制御されている可能性が示唆された。しかし、ArpsとMRTFとの結合はアクチンとのそれよりもかなり弱い。一方、MRTFと同じファミリーに属するmyocardinタンパク質はアクチンよりもむしろArpsと強く結合することが見いだされた。この事から、今後はmyocardinとArpsとの関係を詳細に解析していく予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成23年度の研究では、上記の理由によりG-actinの局在変化に関する研究を中断した為にそれに関わる費用が一部予定より低くなった。一方、MRTFの活性を制御する新規因子が複数同定できたため、今後の研究では当初の計画以上に費用が必要になるものと思われる。特にガン細胞種、ガン組織サンプルの購入や抗体作成など費用が高額になるものに次年度へ繰り越した研究費を使用する予定である。また、平成23年度は学会等の学外発表の機会が得られなかったが、平成24年度は2つの学会に参加する予定が既にあり、そちらにも繰り越した研究費を充てる。その他の物品費等に関しては概ね当初の計画通り使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Caldesmon regulates axon extension through interaction with myosin II2012

    • Author(s)
      森田強、真柳平、祖父江憲治
    • Journal Title

      Journal of Biological Chemistry

      Volume: 287(5) Pages: 3349-3356

    • DOI

      10.1074/jbc.M111.295618

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2013-07-10  

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