2011 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリアの分裂機構:分裂サイトの初期形成から膜分裂までの解明
Project/Area Number |
23770231
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大寺 秀典 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40380612)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | ミトコンドリアダイナミクス / アポトーシス / タンパク質選別輸送 / ペルオキシソーム |
Research Abstract |
本年度までにミトコンドリア分裂実行因子 Drp1の結合タンパク質MIEF1およびMffの生化学的解析を実施した。リコンビナントタンパク質を用いた解析から、MIEF1はDrp1GTPase活性を阻害すること、逆にMffはDrp1のGTPase活性を促進することを明らかにした。さらにMIEF1はDrp1の多量体形成を促進することを電子顕微鏡観察により明らかにすることができた。 MffはDrp1のミトコンドリア分裂部位へのリクルートに必須であり、ミトコンドリア上に点状に局在する。すなわちこの部位がミトコンドリアの分裂部位と考えられる。細胞生物学的な解析から、Mffの分裂サイトへの局在にはDrp1が必要であることを見いだした。Drp1のノックアウト細胞ではMffはミトコンドリア上に均一に局在するが、コントロール細胞では点状に局在する。 本年度以降は、MIEF1とMffのミトコンドリア分裂における生化学的機能をさらに解析するとともに、分裂サイト形成機構のついても上記の結果をふまえてさらに明らかにする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Drp1結合タンパク質、MIEF1、Mffのリコンビナントタンパク質の大量発現系を確立することにより、生化学的解析が容易に行えるようになった。電子顕微鏡によりDrp1の微細構造を観察することが可能となり、今後、MIEF1とMffの作用機構を形態学的にも観察する手段を確立できた。分裂サイトの形成に関連して、Mffの点状局在がDrp1に依存することを見いだしたことにより分裂サイト形成機構解明の手がかりを得た。以上の理由によりおおむね順調に進捗している。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまで同様に生化学的解析を実施していく。MIEF1発現動物培養細胞を作製して免疫沈降およびプロテオミクスによりMIEF1結合タンパク質の探索を実施して、ミトコンドリア分裂装置の網羅的同定を試みる。Mffのノックアウト細胞を作製することによりMffとMIEF1の機能相関について細胞生物学的解析を進める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度と同じく試薬等の消耗品および旅費、論文出版費に充てる。
|
Research Products
(3 results)