2013 Fiscal Year Annual Research Report
体軸間相互作用による神経外胚葉サイズ決定のメカニズム
Project/Area Number |
23770241
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷口 俊介 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (00505331)
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Keywords | 発生・分化 / 体軸形成 |
Research Abstract |
多細胞生物が三次元の体を構築するためには、一次軸(e.g.前―後)、二次軸(e.g.左―右)の各体軸に沿った細胞・組織・器官の正確な分化と配置が必要である。本申請研究の目的は体軸形成過程でその領域サイズが決定される神経外胚葉に着目し、一次軸および二次軸形成に関与するシグナル分子が神経外胚葉のサイズ決定に関わるメカニズムを解析することである。 本年度はNodal受容体であるAlk4/5/7とその細胞内シグナル分子であるSmad2/3のノックダウンを試み、胞胚期の神経外胚葉のサイズを確認した。Smad2/3に関しては抗体染色による確認でノックダウンが成功していなかった。一方Alk4/5/7を阻害した胚では神経外胚葉サイズが正常な状態にあった。これは一昨年度のNodal阻害の結果と矛盾する。そこで、胞胚期に発現し、Alk4/5/7を共有すると思われるTGF-beta分子であるUnivinの阻害を試みた。その結果、神経外胚葉のサイズは正常胚と同程度であり、Nodal阻害時に見られる神経外胚葉の縮小にはUnivinが関与している可能性を示すことができた。 また、神経外胚葉形成に必須な転写因子FoxQ2の発現調節解析を行ううえで必要な情報を得るために、バフンウニゲノムを解読した。それによりFoxQ2がゲノムの中で2コピー存在すること、また、その転写調節領域配列にそれぞれ微妙な違いがあることが明らかになった。現在、それぞれの上流8kbまでの配列をゲノムDNAから単離することができたため、今後その配列の中で重要と思われるdomainの解析を行う。そのために必要なGFPコンストラクトの作成を終えたところである。
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