2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23770252
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 伸 岡山大学, 異分野融合先端研究コア, 准教授 (90512004)
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Keywords | 四肢再生 / 過剰肢付加モデル / 筋細胞 / メキシコサラマンダー |
Research Abstract |
有尾両生類の四肢再生において、多くの組織・細胞はもともと「四肢」にいたものでなくてはならない。ところが、近年の研究成果によって、筋肉に関してはこの限りにないことが強く示唆された。筋肉は四肢にとって最も断面当たりの占有面積が広く、四肢の機能上も重要な組織・細胞種である。このような重要な筋肉組織・細胞が「四肢」由来ではないもので代替できるのか重要な問いである。この研究を行う事は従来の四肢切断を伴う研究システムでは解析しきれなかった。そこで我々は、当研究室が世界的にリードする実験システムである過剰肢付加モデルを改良し、筋肉細胞の再生過程の動態を解析しやすいようにした。この改良型過剰肢付加モデルと通常型の過剰肢付加モデルを併用して具体的な研究を推進した。まず、筋肉関連遺伝子の発現パターンをH24年度中にすべてそろえる事が出来た。さらに、通常の切断と過剰肢形成過程における発現パターンを明らかにしたことで、筋肉の四肢再生過程における状態が把握できるようになった。この解析から、筋肉細胞は四肢再生過程において四肢以外の組織からでも寄与できる可能性が高いことが強く示唆された。わき腹に四肢を誘導する改良型過剰肢付加モデルを用いて、具体的に四肢以外から(わき腹組織)の筋肉の寄与が可能かどうかを検証しようと試みたが、実験の性格上かなり大多数の動物の命を奪う事が予想された。動物愛護の観点からほかの方法を探すことにし、計画の変更を行った。この計画変更に時間はかかったが、解析上は問題ない代替実験法を作ることができた。尾部筋をわき腹の筋組織の代わりに使用し、過剰肢付加モデルと組み合わせることで動物を殺すことなく実験を行えるようになった。現在は阻害剤との併用などで研究を進めている。H25年度中には論文にまとめるところまでの目途はついている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画以上の進展と計画外の発見とで非常に有意義である。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね順調であるためこのまま研究を推進する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文投稿料や、英文校正、阻害剤の購入、人件費等で使用することが予想される。人的措置をとれない体制のため、自己確保した外部資金で人的な要素を解決せねばならないので、人件費に使用する幅が計画よりも多くなることが見込まれる。
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