2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23770252
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 伸 岡山大学, その他部局等, 准教授 (90512004)
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Keywords | 四肢再生 / 筋肉 / 過剰肢付加モデル |
Research Abstract |
有尾両生類の四肢再生において、多くの組織・細胞はもともと「四肢」にいたものでなくてはならない。ところが、近年の研究成果によって、筋肉に関してはこの限りにないことが強く示唆された。筋肉は四肢にとって最も断面当たりの占有面積が広く、四肢の機能上も重要な組織・細胞種である。このような重要な筋肉組織・細胞が「四肢」由来ではないもので代替できるのか重要な問いである。この研究を行う事は従来の四肢切断を伴う研究システムでは解析しきれなかった。そこで我々は、当研究室が世界的にリードする実験システムである過剰肢付加モデルを改良し、筋肉細胞の再生過程の動態を解析しやすいようにした。この改良型過剰肢付加モデルと通常型の過剰肢付加モデルを併用して具体的な研究を推進した。まず、これまで、有尾両生類では明らかにされてこなかった筋肉関連遺伝子の発現パターン明らかにした。この結果、通常の切断と過剰肢形成過程における発現パターンから、筋肉の四肢再生過程における状態が把握できるようになった。この一連の比較解析から、筋肉細胞は四肢再生過程において四肢以外の組織からでも寄与できる可能性が高いことが強く示唆された。四肢以外の筋肉組織からでも四肢再生に寄与できるかを検証した。尾部筋をわき腹の筋組織の代わりに使用し、過剰肢付加モデルと組み合わせることで実験を遂行した。この結果、当初の予想通り、筋肉は位置によらず(存在部位によらず)、四肢再生へと寄与できることが明らかになった。この研究の成果を進化的な側面から比較してゆく事で、今後四肢や肉鰭、有肉の背鰭などに存在する筋肉の起源について議論できるようになると考えられる。
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Research Products
(3 results)