2012 Fiscal Year Research-status Report
着床直後のマウス胚におけるNodal/FGFシグナル標的遺伝子の探索
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23770254
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
沖 真弥 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90452713)
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Keywords | Nodal / エピブラスト / 多分化能 / マウス初期発生 |
Research Abstract |
TGFβスーパーファミリーに属する分泌因子Nodal はマウスの初期発生において必要不可欠な分泌因子である。これまでに行われたノックアウトマウスの解析で、Nodal はエピブ ラストの形成と未分化性の維持や、その後の原条形成に必須であることが明らかにされているが、Nodal シグナルが直接的に制御する ターゲット遺伝子はほとんど知られていない。前年度までにこのターゲット遺伝子を網羅的に探索するべく、次世代シーケンサを用いた網羅的発現解析(mRNA-seq)を行い、多くのターゲット遺伝子候補を得た。平成24年度はそれらの機能解析を行うべく、機能欠失および機能獲得実験を行った。機能欠失実験は複数の遺伝子についてハイスループットな解析を可能とするべく、それらに対するmiRNAを発現するES細胞を作製し、ノックダウン実験を行う予定であったが、効率的な阻害効果が得られなかったため、ノックアウトES細胞を複数購入し、現在キメラマウスの作製を行う予定である。機能獲得実験については、Doxycycline依存的に遺伝子発現できるES細胞を作製し、キメラマウスの作製が可能になったため、現在マーカ遺伝子発現の解析などによって、Nodalシグナルとの関わりを解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
miRNAを用いた機能欠失実験が実現化できず、ノックアウト実験に変更することになったため、本実験系はやや遅れている。 機能獲得実験については、その実験系の確立に時間を要したが、機能解析を始めるための準備は整った。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたNodalターゲット遺伝子候補について機能解析を行う。機能欠損実験についてはノックアウトマウスを作成し、遺伝子発現変化を解析する。機能獲得実験については、Doxicycline 依存的に過剰発現するマウスを作製し、遺伝子発現変化をを解析する。 両実験を行うことにより、Nodal変異胚との比較を行い、最終的にNodal標的遺伝子の決定を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ES細胞の作製や培養に要する消耗試薬類、遺伝子改変マウスの作製や維持に用いる試薬や飼育費、遺伝子発現解析に要する抗体や分子生物学的実験消耗品、成果発表(論文作製や学会発表)等に充てられる。
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