2013 Fiscal Year Annual Research Report
着床直後のマウス胚におけるNodal/FGFシグナル標的遺伝子の探索
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23770254
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
沖 真弥 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90452713)
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Keywords | Nodal / エピブラスト / 多分化能 / マウス初期発生 |
Research Abstract |
マウスの初期発生において、TGFβ スーパーファミリーに属する分泌因子 Nodal は極めて重要な機能を有する。特に着床直後の胚においては、エピブラストの形成や未分化性の維持、その後の原条形成に必須であるほか、神経上皮化を抑制する作用も有する。しかし Nodal シグナルが直接的に制御する標的遺伝子はほとんど知られていない。本研究ではその標的遺伝子を網羅的に探索するために、Nodalシグナルの化学的阻害剤の有無で培養した胚からエピブラストを単離し、mRNA-seq 法による発現解析を行った。その結果、複数の遺伝子が阻害剤で発現が変動することがわかり、in situ hybridization 法でも再確認した。それらのうち、阻害剤で発現上昇する遺伝子は神経上皮化を促進するのではないかと考え、過剰発現させる実験を行った。その結果、正常胚は神経上皮化しない培養条件下において、過剰発現胚は神経上皮マーカの上昇を示した。また、着床直後の胚を Nodal シグナルの化学的阻害剤のみで培養しても神経上皮化を起こさないことを見いだした。各種阻害剤を用いた結果、別のシグナル伝達経路を併せて遮断することで効率よく神経上皮化を誘導した。従来、Nodal が神経上皮化を抑制することが知られていたが、本研究の結果、着床前からのNodal シグナルが必須であり、着床した後では別のシグナル経路もh実用であることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)