2011 Fiscal Year Research-status Report
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23770262
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
金井 誠 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 神経細胞生物学部門, 研究員 (50598034)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 神経幹細胞 / ショウジョウバエ / HSPG / TGFβ / ニッチ |
Research Abstract |
幹細胞性は近傍にある細胞や組織に大きく依存し、その細胞群はニッチと呼ばれる。申請者は、ショウジョウバエ幼虫期脳の神経幹細胞(ニューロブラスト)をモデルに、神経幹細胞の発生過程におけるグリア細胞ニッチの必要性、神経幹細胞の増殖能を制御するニッチ細胞及び、その分子メカニズムを解明することを目的に3つの課題に取り組み、以下の成果を得た。1,神経幹細胞の発生時系列におけるグリア細胞ニッチ動態のライブイメージング;GFP再構成法を用いて、発生経過におけるGFPシグナル観察を行った結果、神経幹細胞―グリア細胞間相互作用は発生初期から形成されていること、広範の神経幹細胞でGFP再構成法を用いたのにもかかわらず、実際のGFPシグナルは特定の神経幹細胞にのみ限局していることが明らかになった。2,神経幹細胞の増殖能を制御するグリア細胞ニッチの分子基盤;申請者はグリア細胞の分泌機構を阻害することにより、神経幹細胞の増殖能が減少することを見出した。このことは、神経幹細胞の増殖能がグリア細胞膜に提示される分子によって制御されている可能性を示唆していたが、その分子基盤は不明であった。申請者はグリピカンが神経幹細胞のニッチであるグリア細胞膜上で発現し、神経幹細胞の増殖制御機能を持つこと、また神経幹細胞側でグリピカンと相互作用することによりその増殖制御を行なっている分子を同定しその機能を明らかにした。3,神経幹細胞膜上において、グリア細胞由来シグナルを受容する分子基盤の網羅的探索;本研究では、神経幹細胞膜上に提示させるグリア細胞由来の増殖シグナル受容分子同定することを目的に、誘導型RNAiを用いて、シグナル受容分子の網羅的探索を行った。申請者はすでに複数の候補遺伝子の同定に成功していたが、探索を続け新たな候補遺伝子の同定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1,神経幹細胞の発生時系列におけるグリア細胞ニッチ動態のライブイメージング;GFP再構成法を用いることにより、神経幹細胞―グリア細胞膜の相互作用が「いつ」「どこで」形成されるのかという課題は概ね達成された。2,神経幹細胞の増殖能を制御するグリア細胞ニッチの分子基盤;神経幹細胞の増殖能が、グリア細胞膜に提示される分子によって制御されている可能性について、グリア細胞、神経幹細胞、それぞれの細胞で排他的に発現している分子を同定し、それらの神経幹細胞増殖機能の解析を終了した。3,神経幹細胞膜上において、グリア細胞由来シグナルを受容する分子基盤の網羅的探索;申請者はすでに、複数の候補遺伝子の同定に成功している。分子探索は次年度も続行し、同定した遺伝子については、順次、変異体を用いた神経幹細胞増殖に対する機能解析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
課題1、2は概ね終了した。次年度は課題3に注力する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品;課題3「神経幹細胞膜上において、グリア細胞由来シグナルを受容する分子基盤の網羅的探索」に使用するショウジョウバエRNAi系統の購入とショウジョウバエ系統維持費として、飼育ビンの購入費と餌作成費を賄う。分子生物学実験のために、分子生物学実験キット、各種酵素を購入し、PCRプライマー合成、シークエンスの外注のための費用。生化学実験のために化学薬品等購入費、組織化学実験のために、一次抗体、二次抗体を購入する。書籍購入費として、実験教科書、学術教科書を購入する。旅費;研究成果発表を、国内では日本分子生物学会年会、海外ではアメリカショウジョウバエ研究会で行う。その他;研究成果の学術雑誌への投稿料、論文校正費。
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