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2011 Fiscal Year Research-status Report

タンガニイカ湖産シクリッドにおける生殖行動の多様化と精しょうタンパク質の進化

Research Project

Project/Area Number 23770270
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

守田 昌哉  琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (80535302)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords精しょうタンパク質 / 受精 / 配偶行動 / 分子進化 / シクリッド / 精子
Research Abstract

タンガニイカ湖に生息するカワスズメ科魚類(シクリッド)は、同じ科内でありながら多様な配偶行動を示す。なかでも、メスがオスの生殖口から精液を吸い、メスの口内で受精が完了する口内受精行動は特筆すべき行動の1つである。この口内受精行動において、精液はメスの口内へ伝達する必要があるため、口内受精行動を示す種では精液はコロイド状の精しょうに包まれており、精しょう中では精子の運動は抑制されている。このコロイド状の精しょうにはシクリッドにしかない精しょうタンパク質SPP120が含まれている。予備的な研究で、このSPP120は精子の運動を抑制する報告があり、精子の運動抑制に関わると推察されている。従って、SPP120は精液をメスの口内へ効率よく伝達するために精子の運動を抑制しコロイド状の精液を産み出していると考えられる。つまりSPP120は口内受精行動に適したタンパク質であると言える。一方で、タンガニイカ湖に生息するシクリッドの多くは、種分化の過程で口内受精行動から他の受精行動へと変化した種が多く、SPP120は受精成功に適していないと考えられる。これらの種では、精液が素早く拡散し、そして精子の運動の活性化が素早く起きるほうが、受精に適していると考えられる。つまり、口内受精行動とは異なり、SPP120の機能を必要としない。このような受精行動の変化が、SPP120の進化とどのような関係性があるか、1)行動の観察、2)SPP120のcDNAクローニング(20種)、3)SPP120の翻訳(28種)に関して考察を行った。結果として1)口内受精行動を示さない種ではSPP120は偽遺伝子化している事が多い、2)SPP120の翻訳は、口内受精行動を示す種で多く発現している事が判明した。現在、非同義/同義置換率を指標にした分子進化解析を行って、変異がSPP120の機能にどのような影響を及ぼすか検討中である

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

目標である1)多くのシクリッドのサンプルを採集し、2)遺伝子の単離を行う、は概ね順調に進んでいる。採集はタンガニイカ湖産シクリッドの20種くらいは採集に成功した。ただし、非常に採集の難しい種(L.profundicola)もおり、この種の採集には成功していない。次年度に、捕獲方法等を含めた対策を検討している。

Strategy for Future Research Activity

SPP120の機能をさらに詳細に検討するために、1)非同義/同義置換率の検討をPAMLで行い、2)行動の変化した種でどのような変異が選択されたか検定する、3)変異の選択されたコドンサイトに人工的に変異を入れた発現コンストラクト(pColdベクターなどを使用)を作成し、SPP120の機能に繋がるか検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

旅費:20万円消耗品費:90万円 (発現ベクターによる発現系の解析など)

URL: 

Published: 2013-07-10  

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