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2011 Fiscal Year Research-status Report

蛍光標識法を用いた光合成ウミウシ体内における植物由来オルガネラの動態解析

Research Project

Project/Area Number 23770276
Research InstitutionKyoto Prefectural University

Principal Investigator

松尾 充啓  京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (70415298)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords光合成ウミウシ / 盗葉緑体 / 共生
Research Abstract

ウミウシの中には、動物なのに光合成をする変わりだねがいる。彼らは、餌となる海藻に穴を空けて細胞質を吸い取り、その中の葉緑体を自分の細胞内に取り込んで、緑のウミウシとなって光合成をする。この現象はchloroplast symbiosis (葉緑体共生)とかkleptoplasty(盗葉緑体現象)等と呼ばれ、嚢舌目のウミウシにみられる極めて特異な現象だが、そのメカニズムは殆ど未知である。本研究では、餌となる海藻のオルガネラ(葉緑体、ミトコンドリア、核)を蛍光標識し、それらがウミウシ体内でどのように挙動するのかをリアルタイムで観察できる世界初の実験系を開発することを目的としている。平成23年度の研究においては研究計画実地計画に従って、ウミウシのエサである緑藻ハネモBryopsis plumosaの葉緑体、核、ミトコンドリア蛍光標識コンストラクトを作成し、ハネモへの遺伝子導入実験を行った。また作成した形質転換ハネモをコノハミドリガイElysia ornataに餌として与え、ハネモ由来の蛍光標識オルガネラが光合成ウミウシ体内で観察されるかどうかについても調べた。その結果、ハネモオルガネラ由来だと考えられるGFP蛍光輝点がウミウシ体内において世界で初めて観察され、本研究の開発コンセプトが正しいことが示された。また、本研究課題を達成する上で克服しなければならない問題点、「ハネモオルガネラの蛍光標識効率が低い」「ハネモ内でのGFPの発現が長期間持続しない」が明らかになってきた。23年度の研究で得られたこれらの知見により、より的確で効率的な研究開発を行うことが可能になった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成23年度中に蛍光標識ハネモ-コノハミドリガイを用いた顕微鏡観察実験を行ったことで、本研究の開発コンセプトが正しいことが明らかになった。また蛍光標識ハネモ-コノハミドリガイのリアルモニタリング系の開発における問題点が一通り洗い出された。研究手法の正当性が示され、具体的問題点が整理され、より効率的な研究が可能になったことは、大きな進展だと申請者は考える。当初の計画の一部(藻類オルガネラの黄色・赤色蛍光標識)は平成23年度中に達成することができなかったが、これは研究過程で明らかになってきた問題点「ハネモオルガネラの低い蛍光標識効率」「ハネモにおけるGFP発現の不安定化」の解決を最優先にしたためで、この問題解決のために行われた実験の知見は、今後研究を展開する上で重要だと考えられる。以上のことから、本研究の進捗具合はおおむね良好だと申請者は考える

Strategy for Future Research Activity

平成23年度における研究により、ハネモにおける「オルガネラ蛍光標識効率の改善」や「GFPの発現の安定化」が研究目的を達成する上で必須であることが明らかになってきた。そこで、平成24 年度においては、これらの改善を行うため、プロモーター等を改変した改良型GFP発現コンストラクトの作成し、ハネモに導入する形質転換実験を行う。また作成した蛍光標識ハネモをウミウシに食べさせて、ウミウシ体内に取り込まれたハネモ由来オルガネラの動態をリアルタイムで観察・追跡する。当初の予定(平成24年度実地計画)にあった多色蛍光標識ハネモの作成については、上述の実験で得られた改良型オルガネラ蛍光標識ハネモを用いて行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成23年度においては、年度末において研究中断が起きないように、基金化制度を意識した研究費の運用が行われ、結果として3万5千円強の研究費が次年度へと繰り越された。この繰り越し金は、次年度研究費とともに、平成24年度の研究に必要な消耗品の購入と学会発表・光合成ウミウシ採集のための旅費に充当される予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 緑藻ハネモのオルガネラの蛍光標識と盗葉緑体研究への応用2012

    • Author(s)
      石井寿季、安井孝彰、中塚直樹、佐藤壮一郎、松尾充啓、平野弥生、本村泰三、小保方潤一
    • Organizer
      日本植物生理学会
    • Place of Presentation
      京都
    • Year and Date
      2012年3月18日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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