2013 Fiscal Year Annual Research Report
大豆フラボノイドの抗酸化活性と低温ストレス耐性の関係解明と関連候補遺伝子の解析
Project/Area Number |
23780009
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
戸田 恭子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究所畑作物研究領域, 主任研究員 (10360447)
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Keywords | 大豆 / フラボノイド / 低温ストレス耐性 |
Research Abstract |
これまでの研究から、フラボノイド生合成酵素遺伝子の一つであり、大豆毛茸色を支配するフラボノイド3’水酸化酵素(F3’H)が低温ストレス耐性に関わることが強く示唆されているが、そのメカニズムは明らかにされていない。本研究では、大豆フラボノイドと低温ストレス耐性との関係解明のため、(1)F3’H遺伝子を導入した組換えダイズを作出し、その表現型を明らかにし、(2)褐毛系統と白毛系統で低温および常温における種皮形態および蓄積するフラボノイドを組織・細胞レベルで比較し、F3’H遺伝子の機能を検討することを目的とした。 大豆は毛茸色に関する準同質遺伝子系統であるTo7B(褐毛)およびTo7G(白毛)を用いた。組換え大豆にはTo7Gを用い、アグロ法による形質転換でF3’H遺伝子を導入した。種皮形態は凍結ミクロトームにより調整した生切片を用いて落射型蛍光顕微鏡により観察した。種皮のフラボノイドはアセトン/水/酢酸混液により抽出し、毛茸のフラボノイドはメタノール抽出をして化学発色法やHPLC分析等に用いた。 形質転換の結果、To7Gから1個体の組換え体を作出し、毛茸において褐毛系統特異的なルテオリンの蓄積がHPLC分析により確認された。また、RT-PCR法により導入遺伝子の転写産物を検出した。今後、組換え個体の系統数を増やすとともにT1、T2世代を用いて低温ストレス耐性の評価を行う予定である。形態観察により、低温処理によりTo7Gの未熟種皮ではフラボノイド様の色素が蓄積することが確認された。塩酸-バニリン法により、未熟種皮ではプロアントシアニジンが顕著に蓄積することが示唆された。今後、低温および常温条件で蓄積するプロアントシアニジンについて、さらに解析を進める予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Linkage mapping, molecular cloning and functional analysis of soybean gene Fg2 encoding flavonol 3-O-glucoside (1 →6) rhamnosyltransferase2013
Author(s)
Rodas FR, Rodriguez TO, Murai Y, Iwashina T, Sugawara S, Suzuki M, Nakabayashi R, Yonekura-Sakakibara K, Saito K, Kitajima J, Toda K, Takahashi R
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Journal Title
Plant Molecular Biology
Volume: 84
Pages: 287-300
DOI
Peer Reviewed
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