2013 Fiscal Year Annual Research Report
ストライガ汚染地域におけるNERICA栽培の潅水指針
Project/Area Number |
23780015
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鮫島 啓彰 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 研究員 (50580073)
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Keywords | 根寄生雑草 / 陸稲 / NERICA / ストライガ |
Research Abstract |
昨年までの調査において、サブサハラ地域への導入が進められているNERICA4は、スーダン現地のストライガ汚染のない陸稲圃場で3 t/ha以上の収量を示したことから、現地環境に適応していると判断した。しかし、ストライガ汚染圃場では、多くのストライガに寄生され、穂重、茎重ともに汚染のない場合の45%以下に低下したことから、NERICA4がストライガ感受性品種であることも確認した。 本年度は、窒素施肥と潅水頻度を増やすことでストライガ被害を抑制することを目的として圃場試験を行った。スーダンの陸稲栽培指針に従った窒素施肥165 kg N/ha、週2回の潅水を標準区とし、窒素施肥2倍区、週3回潅水区、窒素施肥2倍+週3回潅水区の3つの試験区を設定した。各区におけるストライガ出現数およびNERICA4の生育を調査した。 本年度の試験では、全ての区でストライガの出現が確認されなかった。理由として、2013年の作期は雨が多く、標準区でも土壌水分が高く保たれ、ストライガの生育が抑制されたことが考えられる。 NERICA4の穂重は、標準区、窒素施肥2倍区、週3回潅水区、窒素施肥2倍+週3回潅水区の4区でそれぞれ、139、185、123、98 g/m2であった。したがって、窒素増肥による収量増加が示唆されると同時に、潅水を増やすと収量が低下することが確認された。 スーダン現地の環境条件で、多雨年や潅水頻度が高すぎる場合に、イネの生育や収量が抑制されることは予備試験や農家圃場でも確認している。また、現地土壌を用いて、NERICA4を湛水栽培すると鉄欠乏に似たクロロシスが発生することも確認した。したがって、陸稲栽培を行う際にストライガ対策として潅水頻度を増やすことは、スーダンにおいては収量の低下につながる可能性があると判断された。
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Research Products
(2 results)