2013 Fiscal Year Annual Research Report
老化特異的プロモーターによりIPT遺伝子の発現を誘導した組換え花きの作成と解析
Project/Area Number |
23780025
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中野 龍平 岡山大学, その他の研究科, 准教授 (70294444)
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Keywords | 老化特異的プロモーター / サイトカイニン / 花持ち |
Research Abstract |
1) PSARK-IPT組換え花き類の作成とその解析 PSARK-IPTを導入したキクに関して、花持ちの調査を行った結果、特に、‘’においてエチレン 存在下と暗黒下における葉の黄化が抑えられた。本年度、引き続き、キク‘カナリア’およびカーネーションの‘ノラ’において組換え体の作成を試み、遺伝子が導入されたカルスが得た。様々なホルモン組成にて育成し、個体再生を試みたが、いずれもシュートが形成されず、個体再生に至らなかった。 2) 花弁老化特異的プロモーターを用いたIPT誘導組換え花き類の作成とその解析 これまでに単離・作成したアラビドプシスATG8遺伝子のプロモーター領域にIPTを繋げたキメラ遺伝子(PATG8-IPT)について、本年度は、引き続きペチュニアとアラビドプシスへの導入と個体再生・解析を試みた。ペチュニアでは、カルスの異常な増殖があり、再生効率が低く、1系統のみ組換え体が得られたが、解析の結果、明確なIPTの導入・誘導が検出できなかった。アラビドプシスでは複数系統が得られたが、老化の遅延は観察されなかった。今回単離したPATG8領域でのIPTの発現制御では老化抑制には不十分な可能性が示唆された。 3)花器官形成およびエチレン感受性の変異と花持ちの関連性解析 サイトカイニンによる花器官形成やエチレン生合成・感受性の変異誘導が一部の花きで報告されている。本年度には、ペチュニアを用いたVirus Induced Gene Silecing法により、MADS-Box転写因子FBP6とpMADS3、および、エチレンシグナル伝達因子EIN2とEIN3を抑制した場合の花器官形成と花持ちを調査した。FBP6とpMADS3を抑制すると、雄ずいが花弁化し、受粉に伴う花老化が抑えられた。EIN2やEIN3を抑制すると、エチレン感受性が低下し、7日程度花持ちが延長した。
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