2012 Fiscal Year Research-status Report
香気成分合成を制御する糖代謝遺伝子の同定とその機能解析
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23780032
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
岸本 久太郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 花き研究所花き研究領域, 主任研究員 (60546737)
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Keywords | 香気成分 / 芳香族化合物 / 花の香り / ペチュニア |
Research Abstract |
研究目的 ペチュニア(Petunia axillaris)微香系統と強香系統の花冠内代謝物の網羅的な解析の結果、両系統の花の香気成分生合成能の違いの原因が、糖代謝過程のペントースリン酸経路の酸化ブランチにあることが示唆されたことから、その代謝過程を触媒する酵素の遺伝子を明らかにし、これらの遺伝子工学的な改変によって、多様な香気成分生合成を一括して抑制、あるいは増加できるか明らかにする。平成24年度は、ペチュニア花冠においてペントースリン酸経路の酸化ブランチを触媒すると考えられるグルコース6リン酸デヒドロゲナーゼと6リン酸グルコノラクトナーゼの遺伝子のクローニングを行った。 結果および考察 新たにペチュニアの香気成分生合成関連遺伝子の48時間周期の発現様式を網羅的に解析した結果、β-フルクトフラノシダーゼとヘキソキナーゼ/グルコキナーゼの発現の強弱が、ペチュニアの香気成分生合成の昼夜律動性を生じる主要因であることが示唆され、これらの遺伝子を恒常的に発現させることにより、香気成分発散量が恒常的に高められると予想された。そこで、これらの糖代謝遺伝子とグルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ、及び6リン酸グルコノラクトナーゼのクローニングを試みた。しかし、全クローニングには至らなかった。原因は、購入試薬の不具合である可能性が示された。現在、試薬を替えて同クローニングを進めている。これまでの成果に関しては、論文としてまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、6リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子と6リン酸グルコノラクトナーゼ遺伝子をペチュニアに導入予定だったが、全長のクローニングに至っていない。原因は購入試薬の不具合で、原因の解明に多大な時間を費やした。現在、試薬を替えて作業を進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
各遺伝子の恒常組み換えペチュニアを作出する。 GC-MSにより非組換え体と組換え体の花の発散香気成分組成・量を比較解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題の推進のため、次年度の研究費は下記の通り使用する。なお、平成24年度未使用額26,751円は、研究費を効率的に使用して発生した残額であり、次年度に請求する研究費と合わせて研究計画遂行のために使用する。 -形質転換体の作出に要する費用(¥350,000)-内訳:形質転換体作製費(核酸抽出・PCR関連試薬、シーケンス関連試薬、ベクター、培地、試薬、シャーレ等;¥300,000)、形質転換体育成用品(鉢、土等;¥50,000) -組換え体の香気成分の解析費用(¥400,000)-内訳:代謝物検査用試薬(香気成分吸着剤、テナックスTA、カラム、各種溶剤、展開剤;¥200,000)、香気成分標品代(芳香族化合物、テルペノイド標品等¥100,000)、香気成分解析費用(主にGC-MS稼働に要する液体窒素、ヘリウムガス等の消耗品;¥100,000) -出張費等¥76,751- 計¥826,751円(平成25年度直接経費¥800,000+平成24年度未使用額¥26,751円)
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