2012 Fiscal Year Annual Research Report
MAMPsシグナルに関わる新規リン酸化制御因子の解析
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23780048
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松井 英譲 独立行政法人理化学研究所, 植物プロテオミクス研究ユニット, 特別研究員 (20598833)
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Keywords | 植物免疫 / プロテオミクス / リン酸化 / シグナル伝達 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
本研究は、最新のプロテオーム解析手法により初めて同定された微生物関連分子パターン(MAMP)処理によってリン酸化が変動する遺伝子群の機能解析を行い、植物免疫システムの分子機構の理解を深めることにより、より効率的な品種改良を行うことで耐病性作物の作出を目指す。 比較リン酸化プロテオームにより同定されたFlg22(細菌の鞭毛由来のペプチド断片)とキチン(糸状菌の細胞壁成分)刺激によりリン酸化が変化する因子について、シロイヌナズナのT-DNA挿入変異体プールから、同定したタンパク質をコードする遺伝子破壊株を単離した。得られた破壊株について、MAMP応答の指標である活性酸素(ROS: Reactive oxygen species)生成に着目してスクリーニングを行った。その結果、スクリーニングに供した79遺伝子中38遺伝子でFlg22を処理によるROS生成に変動が認められた。同定された遺伝子のほとんどは新奇な因子であったことから、比較リン酸化プロテオミクスを用いた解析が新奇シグナルネットワークの解明に有用であることを示している。 単離された変異体の一つであるram1(ROS abnormal production mutant)は一連のMAMP応答(活性酸素種の生成、MAPKの活性化、カロースの沈着)がMAMP処理で強く活性化されたことから、MAMP応答を負に制御する新奇因子であると考えられた。しかしながら、RAM1は機能未知のタンパク質であることから、現在機能解析に向けて様々なアプローチを行っている。
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