2012 Fiscal Year Annual Research Report
蜂群崩壊症候群の原因候補ウイルスにおける構成遺伝子の立体構造解析と機能解析
Project/Area Number |
23780051
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
畠山 大 徳島文理大学, 薬学部, 講師 (20514821)
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Keywords | IAPV / 殻タンパク質 / RNA合成酵素 / ミツバチ |
Research Abstract |
最近世界中でミツバチの原因不明の失踪(蜂群崩壊症候群)が相次いで報告されている.本研究ではミツバチ失踪の原因の一つと考えられるウイルスIAPVに着目し,ウイルスを構成する殻タンパク質とRNA合成酵素の,機能解析と立体構造解析を目的としている. 始めに,殻タンパク質とRNA合成酵素の組換えタンパク質を作製した.殻タンパク質はCP1からCP4まで4種類のサブユニットの組換えタンパク質を別個に発現させた.しかし,どのサブユニットも十分な発現量は得られたが,不溶性画分として沈殿した.そこで,CP1-CP2-CP3,CP1-CP3,およびCP2-CP3の組み合わせで共発現させたところ,全てのサブユニットが溶出画分に検出された.これは複数のサブユニットが相互作用したことで可溶性が高まった結果であると考えられる.次に,これらのタンパク質溶液を用いてFar Western blottingを行い,殻タンパク質と相互作用するミツバチ由来因子の探索を行った結果,ミツバチの脳に含まれる55 kDaと100 kDaのタンパク質,および消化管に含まれる100 kDaのタンパク質が検出され,IAPVの殻タンパク質と結合する候補因子であると予想された. RNA合成酵素は6分割した部分組換えタンパク質の発現を行った.その結果,2つの部分組換えタンパク質を溶出させることに成功した.今後はこの部分組換えタンパク質の精製を行い,Far Western blottingを行って相互作用するミツバチ由来因子を探索する. また,LC-MS/MSによって,殻タンパク質とRNA合成酵素と相互作用したタンパク質の同定を行う.通常のSDS-PAGEではバンドがタイトであり,反応のあったバンドの同定が困難であるため,二次元電気泳動で分離を行う.さらに,充分量の組換えタンパク質の発現・精製・結晶化を行い,立体構造解析を目指す.
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