2012 Fiscal Year Annual Research Report
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23780060
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笠井 光治 東京大学, 農学生命科学研究科, 特任准教授 (80517938)
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Keywords | ホウ酸トランスポーターBOR / 結晶構造解析 |
Research Abstract |
今年度は、前年度に得られたBOR4タンパク質の熱安定性が向上する条件を用いて結晶化スクリーニングを行った。具体的には、アニオン交換輸送体の阻害剤であるDIDSを添加した条件、BOR4輸送基質であるホウ酸を添加した条件について、結晶化スクリーニングを行った。しかしながら、現在までに結晶を得ることは出来ていない。BOR4以外の結晶化しやすいBORタンパク質の候補を探るために、コムギのTaBOR1.1, TaBOR1.2, TaBOR1.3, TmBOR4.5について可溶化に用いる界面活性剤のスクリーニングを行ったが、BOR4と界面活性剤ドデシルマルトシドの組み合わせほど単分散性の良い組み合わせを得ることは出来なかった。また、BOR1の植物体での機能を欠損させる変異であるbor1-1, bor1-2変異をBOR1とBOR4に導入しタンパク質を合成し、結晶化の候補として使用できるかどうかを検討した。残念ながら、これらbor1-1, bor1-2変異によりBORタンパク質の細胞膜局在性が失われることが判明した。この結果は結晶化解析の立場からはネガティブであるが、新しい知見でもあるため論文として公表する予定である。 研究期間全体を通じて、酵母を用いたBOR4の発現系の安定化、BOR4精製の効率化を図ることができた。また、BOR4の熱安定性の向上させる条件として、アニオン交換輸送体の阻害剤であるDIDSの添加、輸送基質であるホウ酸の添加が有効であることを見いだした。残念ながら、いまだに結晶を得ることが出来ていないが、異なるタンパク質発現系を用いたり、結晶化に用いるタンパク質濃度の最適化を行うことで、結晶化の成功を目指し、本研究課題で得られた情報を活かして行きたいと考えている。
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Research Products
(3 results)