2011 Fiscal Year Research-status Report
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23780082
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川崎 健 広島大学, 先端物質科学研究科, 助教 (00510299)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 分子生物学 / 植物病原菌 / 青枯病菌 / ファージ |
Research Abstract |
23-1 青枯病菌ゲノム内に溶原化しているRSSタイプファージについて4株、RSMタイプファージについて2株の配列を決定した。さらに、データベース解析により、複数の青枯病菌株からプロファージ配列を発見し、ファージ領域の確定、解析を行った。23-2 これら溶原化プロファージ領域がファージとしての機能を有していることの確認を試みた。ファージ領域全長をPCR法により取得し、ライゲーション後、エレクトロポレーション法により宿主菌株に導入し、プラークアッセイ法によるプラークを確認した、さらにプラークPCRを用いて、ファージゲノムDNAを増幅し目的のファージであることを確認した。基本的にはファージとして機能したが、MAFF106611に溶原化しているRSS様ファージについては、現在までにプラークを確認できていない。このプロファージ配列にはトランスポゾン様配列が存在しており、ファージとしての機能が阻害されている可能性が高い。このことから青枯病菌の病原性において「ファージ全体」の関与は不要である可能性も示唆された。23-3 ファージゲノム上の宿主認識タンパク質P3の配列について比較を行い、P3タンパク質の宿主吸着に関わるD2ドメインは明確にグループ分け出来ることを明らかにした。23-4 さらに、このD2ドメインの置換を行った。23-5 P3タンパク質全体、D2ドメインのみ、いずれの場合でもファージとして機能し、P3のタイプに応じた宿主範囲へと変更されることを確認した。これにより、宿主域を自在に変換したファージセットを得ることができ、24年度以降に行う「ファージが与える宿主への影響解析」において、ファージのバリエーションの違いによる影響を排除できることになった。24-1 さらにC319株におけるS様ファージ溶原化周辺領域を取得し、相同組換えによる溶原化ファージ配列の除去を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度分については、5つ予定した項目全てについて行えた。さらに24年度分の一部についても行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
溶原化ファージ領域の除去を行う。ファージ領域の消失が宿主に与える影響について様々な条件下での観察を行う。 例:運動性(twitching motility、swarming activity)。増殖速度(植物抽出液中、CPG培地中)。バイオフィルム形成能。植物病原性等。 これらを通じ自然界における青枯病菌と、このファージの共存関係について研究を行う。さらにRSS様ファージ、RSM様ファージの溶原/誘発機構について解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬、酵素類、PCRプライマー:青枯病菌ゲノム内に溶原化しているRSS様ファージ、RSM様ファージ配列および周辺領域の塩基配列決定について主にインバースPCRを利用する。プラスチック器具、ファージ精製用フィルターおよびガラス器具一式。植物病原菌の感染実験とファージ感染植物病原細菌の感染実験、植物栽培を隔離して行うために新規人工気象器もしくはインキュベーターと光源。研究成果を関連学会で発表する国内旅費。研究成果の論文作製、国際紙投稿料金。
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[Journal Article] Biocontrol of Ralstonia solanacearum by treatment with lytic bacteriophages.2011
Author(s)
Fujiwara, A., Fujisawa, M., Hamasaki, R., Kawasaki, T., Fujie. M., and Yamada, T.
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Journal Title
Appl Environ Microbiol.
Volume: 77
Pages: 4155-4162
DOI
Peer Reviewed
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