2012 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌のもつOー結合型糖鎖付加タンパク質の同定と機能解明
Project/Area Number |
23780084
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
二神 泰基 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (60512027)
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Keywords | 糸状菌 / O-結合型糖鎖 / Aspergillus / Stress sensor / Cell wall integrity / Congo red / MidB / AgsB |
Research Abstract |
本研究ではAspergillus属糸状菌のゲノム情報からprotein O-mannosyltransferaseによりO-結合型糖鎖が付加される基質タンパク質を探索し、その機能を解析することで糸状菌の形態形成に関わる分子基盤を解明することを目的としている。前年度、細胞壁の生合成・維持に重要な役割をもつと考えられるMid2ホモログ (AN4897、MidB)を同定した。MidBはO-結合型糖鎖の付加が予想されるSer、Thr残基を多く(42.07%)もつ。本年度は、まず、実際にO-結合型糖鎖が付加しているかどうか、および局在性を調べるため、GFPを融合発現させたMidB(MidB-GFP)の発現株を構築した。イムノブロット解析の結果、MidB-GFPのアミノ酸配列から予測される分子量(54.2 kDa)よりも大きい約96 kDaに主要なバンドが見られた。次に、トリフルオロメタンスルホン酸による脱糖鎖処理によって約60 kDaまで分子量が低下した。よって、O-結合型糖鎖の付加により分子量が増大していることが示唆された。また、MidB-GFPの局在を観察した結果、細胞表面と隔壁に局在した。細胞表面は、細胞が最初にストレスを受ける場として予想された。しかし、隔壁への局在は、単細胞で増殖する出芽酵母では見られない結果であり、MidBの隔壁における役割や、そのトポロジーに興味が持たれた。さらに、MidBとcell wall integrity下流経路との関係を調べるために、コンゴレッドによるストレスに対するalpha-1,3-グルカン合成酵素遺伝子(agsB)の発現応答を調べた。その結果、midB破壊株においても野生株と同様のagsBの発現応答が観察された。したがって、midB破壊株においては、WscA/B、あるいは未同定センサーが機能相補している可能性があると考察した。
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