2012 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌セルラーゼ遺伝子発現を誘導する新奇転写調節因子の同定と機能解析
Project/Area Number |
23780086
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
谷 修治 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (80405357)
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Keywords | 遺伝子発現制御 / バイオマス / バイオテクノロジー / 応用微生物 |
Research Abstract |
糸状菌Aspergillus aculeatusが生産するセルロース系バイオマス分解酵素遺伝子の発現は,基質存在下で誘導されグルコース存在下で抑制される.この遺伝子発現制御機構のうち,本課題では遺伝子発現誘導を正に制御する因子を新たに同定しその機能を解明することを目的とした. ① 新たなセルラーゼ遺伝子発現制御因子の同定・機能解析 : 我々は,A. aculeatus T-DNA挿入変異株ライブラリーを構築し,その中からセルロース系バイオマス分解酵素の生産を調節する制御因子遺伝子の破壊候補株を約二万株のT-DNA挿入変異株の中から探索した結果,推定のタンパク質翻訳後修飾因子の遺伝子破壊株(2株),推定の転写制御に関わる因子の遺伝子破壊株(2株),機能未同定遺伝子破壊株(2株)の計6株において,セルロース誘導能が減少していることを明らかにした.現在はこれら候補遺伝子の機能解析を順次進めている. ② 同定した転写制御因子ClbRの機能ドメイン解析 : 本課題においてH23年度に同定した新奇転写因子様タンパク質Cellobiose response regulator, ClbRが,セルロースやセロビオースに応答した遺伝子発現誘導を正に制御していることを明らかにした.本年度は,その作用機序を解析するにあたり,まず,ClbRが他の制御因子と協調的に制御していることを想定してClbRの相互作用因子を探索した結果,ClbRがClbRと相同性を42% 有すパラログ因子,ClbR2と協調的に遺伝子の発現誘導を正に制御していることを明らかにした.また,その相互作用に必要なClbRの領域をYeast two hybrid法を用いて限定した.今後は,ClbR2の相互作用に必要な最少領域を特定することにより,ClbRのセルロース誘導を制御する分子機構を解明する計画である.
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Research Products
(9 results)