2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23780103
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊福 健太郎 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (50359783)
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Keywords | 植物 / 光合成 / 環境応答 / 葉緑体 / 電子伝達鎖 |
Research Abstract |
緑色植物には、葉緑体酸素発生系(Oxygen-Evolving Complex: OEC)ファミリータンパク質として、光化学系II(Photosystem II: PSII)の膜表在性サブユニットであるPsbPとPsbQのホモログが多数する。しかしながら、それらの分子機能は未解明なものが多かった。 本研究では、第一に、PsbPホモログの基本的な機能を有すると考えられる原核生物型PsbP(CyanoP)の分子機能を、Synechocystis sp. PCC 6803のCyanoP 欠損株を用いて解析し、CyanoPがin vivoにおけるPSIIの最適な活性維持に必要であることを示した。次に、CyanoPと進化的に最も近いと考えられる緑色植物のPsbP-Like protein 1(PPL1)について、シロイヌナズナPPL1遺伝子発現抑制株を用いて、本年度、様々な光条件下における野生株との生育比較実験を詳細に行い、PPL1が光環境変動に適応するのに必須であることを明確にした。しかしながら、PPL1と遺伝子発現パターンが似たPsbP-domein protein 3(PPD3)に関しては、欠損変異体においてそうした表現型は認められなかった。また、光合成の循環的電子伝達関わるNAD(P)H dehydrogenase 様(NDH-like)複合体の活性に必須だが、そのサブユニットとしては同定されていなかったPsbQ-Like protein 3(PQL3)に関して、PQL1やPQL2とは異なり、NDH-like 複合体のサブユニットではなく、複合体の形成過程に関与する可能性を示した。 最近、光化学系Iの分子集合にPPD1が関与することが他のグループによって報告された。本研究結果とあわせて、緑色植物において、PsbPとPsbQホモログが多様に機能分化していることが明らかとなった。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Identification of the basic amino acid residues on the PsbP protein involved in the electrostatic interaction with photosystem II2014
Author(s)
Nishimura, T., Uno, C., Ido, K., Nagao, R., Noguchi, T., Sato, F., Ifuku, K
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Journal Title
Biochim. Biophys. Acta
Volume: (in press)
DOI
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