2012 Fiscal Year Research-status Report
特異な環構造と強力な殺虫活性を有するインドールジテルペン類の全合成と構造活性相関
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23780112
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
榎本 賢 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 研究員 (90546342)
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Keywords | paspalinine / thiersinine / 全合成 / 部分構造 / 構造活性相関研究 |
Research Abstract |
インドールジテルペンの一つある痙攣作用物質paspalinineの全合成を達成したので、Angewandte Chemie International Editionに報告した。天然物の全合成達成と合成経路確立により、天然物そのものとこれまでに合成済みの部分構造との活性の比較、即ち構造活性相関研究を行うことが可能となったので、平成24年度は計画を変更して構造活性相関研究を優先させることにした。左右両部分構造を持つ化合物および活性発現に関与すると推測される置換基を欠いた化合物を合成し、現在活性試験中である。また、昆虫成長阻害インドールジテルペンthiersinineの右側部分構造も合成した。Thiersinineの分子左側(インドール部位)はpaspalinineと同一の構造を持つ。これによりthiersinine類の構造活性相関研究が可能となったことから、これらも活性試験に供している。これによりインドールジテルペン類の活性発現機構解明に貢献できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最大の目的の一つであるインドールジテルペン類の全合成という目標は果たせたので、今年度はもう一つの研究目的である構造活性相関研究へと進んだ。既に確立した合成経路を活かすことにより、部分構造の合成は概ね順調に進んだと考えている。現在、研究協力者の下で活性試験を実施中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は引き続き構造活性相関研究を実施するとともに、活性や物性の向上のための構造修飾も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
有機合成実験では、有機溶媒、試薬等の消耗品を大量に必要とするため、消耗品費を多く計上したい。また、成果発表や研究打ち合わせのための旅費も必須の経費として計上する。有機合成に必要な基本設備はほぼ整っているので、平成25年度は消耗品費と旅費のみ計上する予定である。
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