2012 Fiscal Year Annual Research Report
人の健康を守るプロアントシアニジンの真の機能を明らかにする化学生物学研究
Project/Area Number |
23780123
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
齊藤 安貴子 大阪電気通信大学, 工学部, 准教授 (40415162)
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Keywords | proanthocyanidins / polyphenols / bioprobe / SAR / biological activity / chemical biology |
Research Abstract |
プロアントシアニジンは、様々な食品に含まれ健康に良いといわれながら、化合物の構造が複雑で純粋な単離が難しい事から、混合物による評価によって機能を論じられている化合物である。本研究課題では、純粋なプロアントシアニジン化合物を申請者自ら開発してきた合成方法を用いて合成し、生体物質の相互作用を化学生物学的な手法(化合物のプローブ化、アフィニティービーズ法)で直接解析して明らかにし、それを元に食の安全・人の健康を守る新たな化合物を開発することを目指すものである。 本実験は、次の3種類の実験を同時に進めた。①プロアントシアニジンのプローブ化、②アフィニティービーズ法による結合タンパク質の確認、③プロアントシアニジンの安定化のための、オリゴ糖による効果を確認、の3種類である。以下、それぞれについて述べる。 ①プロアントシアニジンの合成法の開発において、活性に関与しない水酸基の位置選択的脱保護法の開発に成功した。この部分を修飾することで、リンカーを導入する事に成功し、さらに、蛍光分子を導入することができた。これによりプロアントシアニジンのプローブ化には成功した。②アフィニティービーズ法によりプロアントシアニジンと結合するタンパク質を検出できるか確認した。標的分子としてはプロアントシアニジンが強い阻害活性を持つDNAポリメラーゼαを用いた。光親和型アフィニティービーズを作製し、DNAポリメラーゼが結合するかどうか検討を行った。サンプルとしては強い活性を持つprocyanidin C1と活性のない単量体catechinを比較した。まだ最適化が完了していないが、C1にDNAポリメラーゼが結合していると示唆された。③オリゴ糖がプロアントシアニジンを安定化可能か、オリゴ糖存在下で活性がより持続するかを指標に検討を行った。その結果、ほとんど差がない事が明らかとなった。今後も検討を進める予定である。
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