2013 Fiscal Year Annual Research Report
消化管内分泌細胞に発現する新たな食品たんぱく質/ペプチド受容体候補の網羅的探索
Project/Area Number |
23780124
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
比良 徹 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (10396301)
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Keywords | 消化管ホルモン / 受容体 / 食品ペプチド |
Research Abstract |
前年度までの研究において、冷感および辛味受容体として知られるTRPチャネルの一つであるTransient Receptor Potential Ankyrin-1 (TRAP1)がCCK産生細胞において食品タンパク質の受容体として機能することが示唆され、この分子についてさらなる検討を行った。 食品タンパク質、食品ペプチドに加え、ある種のアルデヒドがSTC-1細胞からのCCK分泌を強く刺激することを見いだした。鎖長や飽和度の異なるアルデヒド間で比較したところ、短~中鎖の2価不飽和アルデヒドが強い作用を持つことが明らかとなった。アルデヒドがTRPA1を活性化するという報告を参考に、TRPA1の関与を検討したところ、このアルデヒドによるCCK分泌促進において細胞内カルシウムシグナルならびにTRPA1が関与することが新たに見いだされた。このことから、TRPA1は、消化管内分泌細胞において食品タンパク質、ペプチド、アルデヒドなど様々な食事因子を受容する分子として機能することが示唆された。 また、ラットにおいてアルデヒドを経口投与することで食品ペプチドの経口投与と同様に胃排出が抑制される結果が得られた。胃排出の抑制はCCKの代表的生理作用の一つであり、消化管組織においてもTRPA1の活性化が寄与する可能性が考えられた。
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