2013 Fiscal Year Annual Research Report
非アルコール性脂肪性肝炎の新しい予防法の開発:ガーリック由来含硫化合物に着目して
Project/Area Number |
23780128
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
深尾 友美 お茶の水女子大学, 生命情報学教育研究センター, 講師 (20470172)
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Keywords | ガーリック / diallyl trisulfide |
Research Abstract |
平成24年度までの検討で、MCD誘導NASHモデルにおいてガーリック由来diallyl trisulfide(DATS)の肝保護傾向が認められたが、その効果は限定的であった。そこで平成25年度はMCD誘導NASHモデルの実験期間変更と、異なるNASHモデル動物でありヒトNASHに類似した病態を安定的に発症するとされるSTAMマウスで同様の検討を行った。MCD食モデルについては、DATSの摂取では血漿中アミノトランスフェラーゼ活性の抑制と、肝臓中TG量、大滴性の脂肪滴が減少する傾向がみられた。次にMCD食モデルに替わる別の方法として、STAMマウスを用いてDATS摂取による脂肪肝抑制効果について検討した。4週齢雄性STAMマウスと、対照として同正常マウスを用意した。飼育開始6日目を本実験開始1日目とし、DATS投与群にはDATS 0.1 mg (0.56 micro mol) をcorn oil micro Lに溶解したものを週3回胃ゾンデ投与した。本実験開始25日目に全群を解剖し、血液の採取、肝臓、脾臓、腎周囲脂肪を摘出した。解析の結果、STAMマウスでは肝肥大及び脾臓の腫大、腎周囲脂肪の増加、血漿AST上昇、血中脂質(TG及びTC)増加、著しい高血糖が認められた。これに対し、DATS摂取群においては血漿中TG量の増加抑制傾向を示したものの、肝臓への顕著な改善作用は見られなかった。 本研究では、食品成分の有用性に関する研究の一端として、ガーリック香気成分DATSの脂肪肝改善効果を検討した。一連の結果から、DATS摂取により脂肪肝抑制効果は顕著には認められなかったものの、肝脂質減少作用に関しては部分的に確認された。DATSと肝脂質蓄積との関わりが示唆されたことから、本知見がDATSと脂質代謝の関連の解明に結びつくことを期待する。
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Research Products
(1 results)