2012 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ管脂質輸送制御因子の探索とメタボリックシンドローム予防への展開
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23780138
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
城内 文吾 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00548018)
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Keywords | 脂質輸送 / リンパ流量 / リンパ管 / 半永久胸管リンパカニュレーション法 |
Research Abstract |
食事脂質の吸収・輸送のメカニズムはトリアシルグリセロール、コレステロール及びリン脂質に大別され、研究が進められてきた。小腸からリンパ管への脂質輸送速度の低下は低インスリン時に血液中へ脂質を遅らせて輸送することとなり、インスリンによる脂肪組織への脂肪酸取り込みを遅らせるため、メタボリックシンドローム(MetS)の予防・改善に繋がる。これまでに、小腸からの脂質輸送がリンパ管のシグナルを介して制御されるという知見は見受けられない。本研究では半永久胸管リンパカニュレーション手術を施したラットを用いてリンパ流量や脂質輸送量に影響を与える物質を探索し、リンパ管のDNAマイクロアレイ解析により選抜物質のリンパ管脂質輸送制御因子の特定を試みた。 本研究により、コレステロール吸収阻害剤がエステル型コレステロール及び数分子種の酸化コレステロールのリンパ輸送量を低下させることを明らかにした。また、グアーガム摂取が小腸での水の挙動に関連した物理化学的特性によりリンパ流量を低下させ、ひいては脂質輸送量を低下させることも示した。申請者所属研究室は、Liver X receptor(LXR)の合成リガンドであるTO901317(TO)がリンパ流量及び脂質輸送量を低下させることを以前報告している。TOがどのようなメカニズムでリンパ流量を低下させるかは不明であった。そこで、グアーガムとTOを摂食させたラットのリンパ管を用いDNAマイクロアレイによる網羅的な遺伝子発現解析を行った。グアーガム摂取により有意に変動した遺伝子は59個、TO摂取により有意に変動した遺伝子は708個、グアーガムとTOで共通して有意に変動した遺伝子は14個であった。これらの中よりリンパ流量低下に4個の遺伝子が関与する可能性が示された。
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Research Products
(5 results)