2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患に関与する変性タンパク質の翻訳後修飾を指標とした定量解析法の開発
Project/Area Number |
23780147
|
Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
日坂 真輔 名城大学, 薬学部, 助教 (60583838)
|
Keywords | 翻訳後修飾 / 脂質過酸化 / モノクローナル抗体 / ELISA / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本研究は、生体内における酸化ストレスを評価し得るバイオマーカーに着目し、その検出・定量法の構築を目指すものである。ここで特に着目したバイオマーカー候補としては、タンパク質における酸化ストレス起因の修飾構造である点に加え、その修飾を受けたタンパク質が酸化ストレスと関連する疾病の発症に寄与し得る可能性を有するものとした。このタンパク質 (アミロイドβ) における修飾構造として、脂質過酸化に由来するアシル化構造(プロパノイル化)に着目した。この修飾構造を有するタンパク質の配列を選択的に検出・定量解析可能な評価法を構築することで、本バイオマーカーを疾病の発症との関連性を定量的に示唆し得るものとして確立することが、本研究の最終目標とした。このような目的を踏まえ、当該年度において、昨年度とは違った新たなアプローチ法をとった。標品となるプロパノイル化構造を有するペプチドを抗原とするモノクローナル抗体を作製し、本抗体を用いたELISA法を構築することで、配列及び修飾構造を合わせて検出及び定量が可能な評価法の構築により、目的の達成を目指した。 実際に昨年度まで使用していたプロパノイル修飾構造を有するペプチドを抗原とし、マウスに免疫後、ハイブリドーマ細胞を樹立した。この結果、2種のモノクローナル抗体を最終的に得ることが出来た。この2種のうち、定量法として競合ELISA法に適した抗体を選択後、より高感度に測定可能な条件の検討を行った結果、pmol / Lオーダーでの定量が可能であることが認められた。これは、今回標的としたアミロイドβタンパク質の定量ELISA Kit (高感度版)とほぼ同レベルであり、実際に応用可能であることが示唆される。今後さらに臨床応用へと向け、疾患モデル動物実験やアルツハイマー病患者の生体試料を用い検証する必要性が挙げられる。
|
Research Products
(1 results)