2012 Fiscal Year Research-status Report
近赤外ミニライゾトロンによる樹木根圏の温暖化応答の検出
Project/Area Number |
23780154
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中路 達郎 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教 (40391130)
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Keywords | 有機物分解 / 非破壊測定 / 森林 / 温暖化 / 分光技術 |
Research Abstract |
温暖化をはじめとする気候変動によって地中の炭素循環が大きく影響を受けることが示唆されているものの、そのメカニズム、特に、森林における植物根と植物遺体由来の有機物の動態にはいまだ不明な点が多い。本研究では、植物組織の構造や有機物組成に関連する情報を得られる近赤外波長の分光反射画像を取り入れた、地中の有機物動態を観測する新しい手法の開発を目指している。 本年度は、初年度に開発した小型CCDカメラと可視・近赤外スキャナーシステムを用いて、土壌温暖化操作実験を行っている森林の地中画像を撮影して、その根圏画像の解析を開始した。通常の可視波長の撮影機材による画像と比較して、近赤外画像を取り入れた場合、砂質土壌、有機物、樹木根およびリターの判別が容易になることが改めて示された。通常の根の成長解析だけでなく、地中の有機物成分と反射スペクトルの対応を調べるため、有機物をサンプリングし、炭素組成との関連性についての分析を開始した。 これらの成果について、植物学者および分光研究の研究者・技術者と議論するため、日本植物学会ならびにバイオイメージインフォマティクス(理研主催のワークショップ)において講演を行い、研究情報交換や共同研究のシーズの開発に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発した近赤外画像撮影システムを使って、実際に野外の温暖化実験土壌で撮影を開始、解析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
森林におけるモニタリングと並行して、サンプリング試料の化学成分の室内分析を行い、近赤外測定の応用について検証する予定である。有機物の動態を解明するためにはある程度の長期観測が不可欠である。また、森林での連続観測には、予期しないトラブル(熊などの野生動物との遭遇、装置の破壊)もあったため、安全に留意した研究の継続を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(3 results)