2011 Fiscal Year Research-status Report
エリシター受容体遺伝子をターゲットにしたマツノザイセンチュウ抵抗性遺伝子の単離
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23780170
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
平尾 知士 独立行政法人森林総合研究所, 森林バイオ研究センター, 研究員 (90457763)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | クロマツ / マツノザイセンチュウ / エリシター受容体遺伝子 / 抵抗性 / 感受性 |
Research Abstract |
本研究は、植物免疫システムの上流部に位置するエリシター受容体遺伝子に着目して、クロマツの抵抗性および感受性個体を利用した遺伝子構造および遺伝子発現の比較解析、さらに実生後代における遺伝子型と表現形質の関連性を検証し、マツノザイセンチュウ抵抗性遺伝子の単離を行う。 平成23年度は、エリシター受容体遺伝子(LRR型遺伝子)をクロマツから単離するために、テーダマツの遺伝子データベースからLRR型遺伝子ファミリーをピックアップし、保存性の高いモチーフを対象にディジェネレイトプライマーの作成を行った。さらに、そのプライマーを利用して、抵抗性個体および感受性個体のRNAサンプルからLRR型遺伝子の一部について塩基配列の決定を行った。決定した塩基配列の一部をベースにその全長を決定するために3'および5'RACEを行い、抵抗性および感受性個体ともにその全長は約3.5kpbであることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
クロマツの抵抗性および感受性個体からエリシター受容体遺伝子(LRR型遺伝子)の単離を試みたが、テーダマツのLRR型遺伝子をベースに作成したディジェネレイトプライマーを利用したPCR増幅がうまくいかず、クロマツからのLRR型遺伝子の単離に多大な時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
抵抗性および感受性個体で増幅したLRR型遺伝子の全長について塩基配列を決定し、塩基配列およびアミノ酸レベルで構造比較を行い、抵抗性個体および感受性個体が保有する特異的な変異(例えば、一塩基多型や挿入・欠失変異)を検出する。特定した個々の変異をもとにDNAマーカーを作成するとともに、リアルタイムPCRによる遺伝子発現解析を行い、発現挙動をプロファイルする。 さらに抵抗性個体および感受性個体の人工交配によって得られた実生後代130個体(接ぎ木によってクローン増殖されたもの)について、マツノザイセンチュウ(線虫の系統:Ka-4)の接種を行う。接種した個体の表現形質は、接種後1週間おきにデータを収集する。また、時系列にそってRNAサンプリングも行い、生体防御関連遺伝子(PR-gene)をマーカーとした遺伝子発現解析を行い、抵抗性および感受性個体の生体防御反応をプロファイルする。 抵抗性および感受性個体の比較解析からそれぞれの個体で検出した変異についてはDNAマーカーを開発する。さらにDNAマーカーを用いて、実生後代130個体の遺伝子型と表現形質の関連性を統計学的に評価し、抵抗性遺伝子としての寄与を検証する。統計学的な評価を行うために、クロマツの連鎖地図情報(森林総合研究所研究課題「クロマツの連鎖地図作成」)を利用する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は塩基配列の決定とプライマーの設計(連鎖地図へのマッピング)に重点がおかれることから、これらの実験に要する消耗品費として使用する。また、本年度は最終年度であるため、その研究成果については国際学会での発表および参加費として使用する。
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