2013 Fiscal Year Annual Research Report
森林性キノコバエ類による栽培きのこ被害の解明と緩和手法の開発
Project/Area Number |
23780176
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
末吉 昌宏 独立行政法人森林総合研究所, 九州支所, 研究員 (80435586)
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Keywords | 人工林 / 天然林 / 食用きのこ / 菌床 / 原木 / シイタケ |
Research Abstract |
キノコバエ類群集の多様性に影響を及ぼす栽培地域の環境を異なる空間スケールで調査し、有効な防除方法を提唱する。この成果によって、きのこ栽培の被害予想図の作成、菌床しいたけ害虫ナガマドキノコバエの由来の解明、キノコバエ類害虫の一覧と同定ツールの作成が可能になる。 食用きのこ栽培地域の植生がキノコバエ類群集、特に、シイタケ害虫となるキノコバエ類の動態に及ぼす影響を明らかにするため、森林内の植生とキノコバエ類群集を調査した。大分県日田市内の人工林 9 ヶ所(ほだ場 3 ヶ所を含む)および天然林 8 ヶ所(ほだ場 2 ヶ所を含む)を調査地として、各所に 10m 四方の 1 方形区を設置した。方形区内の胸高周囲長 0.5m 以上または樹高 2m 以上の樹木の種類と幹数を記録した。2011 年 10 月から 2013年 12 月までの間にマレーズ式トラップ、捕虫網と吸虫管を使った掬い採り、きのこ類を使った羽化試験などでキノコバエ類を採集した。天然林と人工林はそれぞれアラカシとスギが優占し、一部にクヌギなどの植栽林、タケ類が繁茂したスギ林、ヒノキ林を含んだ。調査期間内に採集されたキノコバエ類の属を単位とした主成分分析の結果は、天然林と人工林の間で異なる群集が形成されていることを示した。ナカモンナミキノコバエ類の分布はほだ場に集中し、ほだ場の外ではほとんど採集されなかった。ナガマドキノコバエ類の害虫種はこの調査で採集されなかった。トンボキノコバエ類は天然林・人工林の風倒木の根返りや野生きのこから採集された。
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Research Products
(2 results)