2013 Fiscal Year Annual Research Report
高機能性土壌の森林での分布を決める火山灰混入程度の全国評価
Project/Area Number |
23780177
|
Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
今矢 明宏 独立行政法人森林総合研究所, 立地環境研究領域, 主任研究員 (60353596)
|
Keywords | 火山灰土壌 / 土壌分布 / 森林域 / 火山灰混入程度 |
Research Abstract |
日本全国から等間隔で規則的に配置された約800地点の代表土壌断面調査において採取された層位別土壌試料を用い、酸性シュウ酸塩可溶アルミニウム(Alo)濃度、シリカ濃度およびピロリン酸可溶アルミニウム濃度を測定し、各地点における土壌への火山灰混入程度を推定した。また、各調査地点における表層0-30㎝の平均Alo濃度を求め、Getis-OrdのG*i(d)統計量によるHot-Cool spotの検出、ならびに逆距離加重法(IDW法)を用いた空間補間によるAlo濃度の広域分布の推定を行い、全国森林域における土壌への火山灰混入程度ならびに火山灰土壌の分布について推定を行った。その結果、火山灰土壌は森林域の約2割を覆うこと、火山灰混入程度の全国分布の特徴として、高いAlo濃度を示し火山灰混入程度が高く火山灰母材とみなされる土壌は火山近傍に分布すること、火山近傍以外でのAlo濃度が高い土壌の分布は平坦地形面に多いことが明らかになった。また、火山灰土壌の中でもより炭素蓄積量が大きい非アロフェン質土壌を区分し、アロフェン質火山灰土壌が火山のより近くに集中分布しているのに対し、非アロフェン質火山灰土壌はこれらを取り囲むように分布し火山との距離が長いこと、高い標高、低い年平均気温、多い年降水量、大きい傾斜を持つことを明らかにした。土壌炭素蓄積量は火山灰混入程度が強いほど大きく、火山灰土壌ではアロフェン質よりも非アロフェン質土壌で大きいことが示され、日本全国といった広域での土壌炭素蓄積の分布の決定には、土壌への火山灰混入の影響が大きいことを明らかにした。
|
Research Products
(3 results)