2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規な金属複合炭素化プロセスにおけるガス化特性と固体生成物表面特性の解明
Project/Area Number |
23780178
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
浅田 隆志 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (60434453)
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Keywords | 炭素化 / 金属複合 / 木質バイオマス / ガス化 / 炭素化物 |
Research Abstract |
金属複合炭素前駆体の炭素化において,塩化鉄や硫酸銅等の金属を複合した際に,複合金属が炭素化に与える効果を明らかにするためにガス化特性と固体生成物表面特性の両面から評価した。 硫酸銅複合の場合,炭素化時発生ガスは水素と一酸化炭素が低下する傾向で,複合した銅化合物の化学形態分析の結果,銅複合炭素化時に発生した水素や一酸化炭素が銅化合物を還元したことによると考えられ,複合した銅として酸化銅(I)が確認された。また,600℃炭素化時はミクロ孔よびメソ孔容積の増加に伴い,BET比表面積と全細孔容積が増加した。1000℃炭素化時はミクロ孔の減少に伴い,BET比表面積と全細孔容積が減少した。電子顕微鏡で固体生成物表面を観察すると,600℃炭素化に比べ1000℃炭素化では銅化合物の粒子径が大きいことが原因と考えられた。また,0.1 mol/Lの硫酸銅溶液を用いて銅を複合し,600℃で炭素化するとナノオーダーの銅微粒子が固体生成物表面に均一に分散することが明らかになった。 塩化鉄複合の場合では,ガス発生量にほとんど変化が見られなかった。一方で,炭素前駆体でなく,おが屑に塩化鉄を複合して炭素化すると,800℃までは大きな変化がなかったが,1000℃で炭素化した場合は一酸化炭素の増加が認められた。塩化鉄を複合した炭素前駆体の炭素化時にはガス発生量の増加が認められなかったことと,塩化鉄を複合して炭素化しても固体生成物の収率はほとんど変わらないのに対して,塩化鉄複合炭素化ではガス発生量が増加したことから,複合した鉄は炭素前駆体の炭素化時に発生したタール分等の分解に関与したことにより,ガス発生量が増加したと考えられた。また,塩化鉄複合炭素前駆体および塩化鉄複合おが屑の炭素化のいずれも複合しない場合に比べてBET比表面積が大きく低下した。メソ孔容積は増加したがミクロ孔容積が大きく低下したためであった
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