2013 Fiscal Year Annual Research Report
樹木の化学防御機構におけるオレウロペインの生物有機化学的研究
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23780181
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大西 利幸 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60542165)
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Keywords | 化学防御 / テルペン |
Research Abstract |
Oleuropeinはモクセイ科植物に含まれるフェノール性イリドイド配糖体であり、食害昆虫に対する化学防御物質と考えられている。昆虫の食害により植物細胞が破壊されることで、別々の細胞小器官に局在していた糖加水分解酵素とoleuropeinが反応し、oleuropein糖加水分解物 (oleuropein hydrolyzed metabolite: OHM) が生じる。OHMは2つのホルミル基を有するグルタルアルデヒド様構造を有しており、タンパク質中のアミノ酸残基Lysのε-アミノ基と反応し、シッフ塩基を形成することで高分子架橋体を形成し、高分子架橋体が昆虫に対して難消化性物質となり昆虫の成長を抑制することが示唆されている。これまで本研究課題の実施により、これまでにin vitro試験においてOHMのグルタルアルデヒド様構造がL-Lysのε-アミノ基とシッフ塩基を形成し、含窒素六員環を有するOHM-Lys複合体を生成することを見出した。そこで本年度は、OHM-アミノ酸複合体の植物体における内生の有無、 物理的ストレスまたは食害ストレスを与えたオリーブ葉におけるOHM-アミノ複合体の探索および定量分析を行った。またオレウロペインの安定化に寄与する配糖体の生合成酵素である糖転移酵素遺伝子の探索を行った。
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