2011 Fiscal Year Research-status Report
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23780194
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
勝川 俊雄 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (90302679)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | クロマグロ / 資源管理 / 持続的利用 |
Research Abstract |
クロマグロ漁業は、小型魚を中心に、ここ数年ぶりにまとまった漁獲があった。しかし、漁期はじめに水揚げが集中したために、例年以上に値崩れをおこしてしまった。個別漁獲枠制度の導入による水揚げの分散、単価の向上が急務である。クロマグロの持続的利用についての聞き取り調査を行った。東日本大震災で被災した三陸漁業の復興支援業務の傍ら、精力的に三陸でのマグロ漁業の歴史についての情報収集を行い、クロマグロ漁業の歴史に関する貴重な知見を得ることができた。各地に、クロマグロ大漁の記念碑が残されていることがわかった。これらの歴史的情報を収集、整理していくことが、現在の資源状態を理解するヒントになるだろう。平成23年9月16日(金)に、東京大学 大気海洋研究所において、シンポジウム「太平洋クロマグロ資源の有効利用に向けた取り組み」が開催された。筆者は、「太平洋クロマグロの漁獲の現状」というタイトルで口頭発表を行った。シンポジウムの記録は、月刊海洋 2012年2月 通巻496号 「総特集、太平洋クロマグロ資源 ―有効利用に向けた取り組み―」に記録され、筆者は「クロマグロ漁業の実態」というタイトルで報告を行った。来年度は、IUCNのミーティング、Fisheries Summit香港大会など、クロマグロ資源の持続的利用を考える上で、重要なイベントが控えている。これらのイベントにおいて、日本の取り組みを発信し、世界の理解と支持が得られるように今後も情報収集・情報発信に尽力する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災によって、壊滅的な打撃を受けた三陸漁業の復興支援に忙殺されたため、西日本でのフィールドワークに支障をきたした。今年度に対馬を中心にフィールドワークを行い、遅れを取り戻す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
西日本を中心にフィールドワークを行う。一本釣りや定置網など様々な漁法の漁業者の聞き取り調査をおこなって、国内のクロマグロの漁獲状況についての知見を得る。IUCNミーティング、Fisheres Summit香港大会に参加して、日本の資源管理の取り組みを世界に情報発信をする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度に実施できなかった西日本のフィールド調査を最優先で行う予定である。現地調査および国際会議出席のための旅費が中心になる。研究成果を学術論文としてまとめる準備にも取りかかる予定であり、校正その他の諸経費も必要になる。
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Research Products
(3 results)