2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23780194
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
勝川 俊雄 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (90302679)
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Keywords | 太平洋クロマグロ / 資源管理 / 持続的漁業 / 生態系保全 / 責任ある漁業 / マグロ養殖 |
Research Abstract |
【具体的な内容】クロマグロの持続的な利用に向けて、漁業と資源の実態を知るために、現地調査と聞き取り調査を行った。九州地域(対馬)や三陸(気仙沼)の漁業者から聞き取り調査を行った。また、マグロ養殖や種苗用のヨコワの漁獲について、業者と情報交換を行った。これらの成果を、2011年9月16日に東京大学大気海洋研究所で開催されたシンポジウム「太平洋クロマグロ資源の有効利用に向けた取り組み」で報告した。2012年9月7-9日に、韓国のチェジュ島で開催されたIUCN(国際自然保護連合)の大会に出席し、日本のクロマグロ漁業の現状および保全の取り組みについて報告するとともに、米国、韓国の研究者と情報交換を行った。社会的な関心が高いクロマグロの資源と漁業の現状を様々なメディアを利用して情報発信を行った。一般書「漁業という日本の問題」(NTT出版)や、テレビ番組「ニッポンの味方」(テレビ東京系列)などで、クロマグロの漁業や養殖についての情報発信をした。インターネット上のブログでも、クロマグロの資源や養殖に関する情報発信を行っている。 【意義】本研究によって、現在の未成魚中心のクロマグロ漁業には無駄が多く、適切な漁獲規制をすることで漁業生産金額を大幅に増やす余地があることがわかった。また、大きくしてから獲った方が、漁獲量が増えるために、消費者や流通業者にとっても、メリットがある。 【重要性】クロマグロは、日本の魚食文化のシンボルともいえる重要な水産資源であり、その持続性については世界的な関心が高い。資源管理を徹底し、より持続的な漁獲を実現した上で、そのことを世界に対して情報発信していく必要がある。本研究は、そのためのスタート地点となるだろう。
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