2012 Fiscal Year Research-status Report
プラスミドが介する養殖環境からヒトへの多剤耐性伝達リスク
Project/Area Number |
23780202
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
野中 里佐 獨協医科大学, 医学部, 助教 (70363265)
|
Keywords | 多剤耐性菌 / 薬剤耐性遺伝子 / 伝達性プラスミド / 遺伝子伝播 / 養殖環境 |
Research Abstract |
産前産後の休暇又は育児休業による中断:平成24年01月04日~平成25年03月31日
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調べた臨床分離株の中に伝達性プラスミドを保有するものが見つからず、臨床分離株をターゲットからはずしたため、当初明らかにすることを目的としていた、海洋・臨床分離株が保有する多剤耐性伝達性プラスミドの特徴のうち「臨床分離株」の部分を達成することができなくなったため。その一方で当初の目的にはなかった新規薬剤耐性遺伝子のクローニングと機能確認および論文投稿(査読中)を行うことができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
1. 多剤耐性プラスミドの形成メカニズム パイロシークエンス法により全配列決定済みであるpAQU2の塩基配列の精査を行いDDBJ(DNAデーターベース)への登録を完了させる。その後、既知のプラスミドpAQU1との比較解析を行い、プラスミド間で保存性の高い領域を明らかにする。さらに既知の伝達性プラスミドと共通する遺伝子を抽出して比較解析を行い、pAQUタイプと近縁の伝達性プラスミドの分子系統学的な関係を明らかにする。 2. 養殖場分離株が保有する伝達性プラスミドの特徴 養殖環境から分離された多剤耐性菌由来の複数の伝達性プラスミドを対象に、上述の保存領域情報を基に作成したプライマーを用いてPCRを行いプラスミドタイピング行う。またドナーからレシピエントへのプラスミドの伝達頻度、さらに得られた接合体から次のレシピエントへの伝達頻度を明らかにする。またPCRを用いて接合伝達に関与する遺伝子群の検出を行い、プラスミド伝達に影響を与える因子を明らかにする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
既に高速シークエンサーで決定したプラスミドの塩基配列の一部正確性が低い部分について、サンガー法を用いて精査する予定であり、そのために必要なプライマー、試薬、酵素類を購入する予定である。また成果を論文として投稿するため、英文校閲料(5万円程度)および投稿料(Frontiers in Antimicrobials, Resistance and Chemotherapyを予定、960ユーロ)を支払う予定である。
|